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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

Eクラスと5シリーズ  ト○タもびっくりなハリボテ&家電カー対決!!

  日本でもよく知られたドイツのタクシー用セダン2台が去年から今年にかけて相次いでフルモデルチェンジしました。シーマやレクサスLSの個人タクシーを東京で見かけますけども、Eクラスも5シリーズも本命のPHVが800万円程度なので、個人タクシー用としての需要もあるのかなー。とは言ってもまだまだ高い・・・アメリカでの価格なら600万円。まあどちらもあと1年くらいしたら値引き合戦で100万円くらいは一声で下げてくれるようにはなるでしょうけど。

  それにしてもどちらも・・・乗った感じが大雑把に言えばクラウンかフーガです。もうそれだけでなんか日本市場のファンも全然テンションが上がらない。「THE 無難」というコンセプトを粛々と追求しています。Eクラスも5シリーズも新たにEV走行が130km/hまでというカムリHVと同等水準の走行性能をもつPHVが用意され、にわかに『新時代HEVセダン』という新しいスタイルが出来ちゃってます。レクサスも次々とこの100km/h超EV走行モデルへとモデルチェンジしていくのでしょうけど、新しい日本の『プレミアムライン』は静かに加速して、どこまでもジェントルに走ることに『商品価値』を見出していますね。これならば軽自動車や小型車と明確で不可逆な差別化が図れるってことなのでしょうね。さてさて北米で驚異的にインフィニティが売れている日産はもしかしてこの流れに取り残されているのか?それとも日本市場を捨てた?

  カムリHVの豪華版と言っていいEクラスと5シリーズ。乗ってみるとその走りはカムリHVよりも走りの魅力が乏しい気が・・・。まあ気のせいですかね。それとも期待値が高過ぎるせいもあるのかも。先代と比べるとEクラスはインテリアとエクステリアの長足の進化は評価できますし、5シリーズは・・・ナビが良くなったなーあとはDEが少々改善された!?以外は正直言って見つからないですけど、G30の佇まいは結構好きかも。まあタクシー用ですから「走り」よりももっと大事な要素がある!!ってことなんでしょうけどねー。ただしあのランフラットでは日本の営業運転には向かないだろーけど・・・。

  『EVシフト』という破れかぶれの国策に転じたドイツメーカー群ですが、この浅はかな決断により、10年後には全て中国資本の傘下に入ることを覚悟するしかなくなりました。10年後のメルセデスVVVFインバータによるエクゾースト(音色!?)を響かせるのかー。山手線の加速音みたいにどんどん音程が上がっていくあれです!!それともドイツ国鉄のようにカチン!!コチン!!とやかましいスイッチの制御音を鳴らして走るのか!?・・・なんか先が見えているんですよね。ドイツメーカーがどうやってEVで東アジアに勝つつもりなんだろう!?(勝てると思っているのは無知な日本のカーメディアだけでしょうけど・・・)

  そしてそんな絶望的な行先を暗示しているのが、Eクラスと5シリーズの仕上がりです。もう運命には逆らうことの不毛さを悟ったかのように、ただただ淡々と更新されています。20年くらい前にアウディが世界に『革新』を唱え、中国市場の拡大とともに「プレミアムブランド」という幻想が自動車業界を覆いましたが、フルサイズセダンをスーパーカーにする!!というホンダ、BMWアウディの途方もない歪んだ見通しが、案の定・・・破綻。メルセデスBMWアウディは格安路線にシフトチェンジするも、それに同調しなかったレクサスは早くも日本、アメリカを含む主要市場で販売台数が下がりはじめました。

  あまりに大衆化が進んでしまったブランドが、再び『限られた人のためのブランド』へと正常に巻き戻ったのかもしれないですが、そんなあらゆる意味において過渡期、難しい時期に出てきたEクラス(W213)と5シリーズ(G30)への評価は難しいです。それぞれにブランドを代表するモデルであり、日本での700万円前後という価格設定からすると、ちょっと仕事が雑という気がしますが、アメリカ価格の45000ドル前後ならば、まあ納得できるのかなー。

  日本で700万円といったら、シーマ、マジェスタ、GS450h、コルベットジャガーFタイプ、718ケイマン、WRX・S207といった各方面での「クオリティ」を大事にしたクルマがひしめいていますけども、それに比してEクラスと5シリーズはあまりにも『ブランド頼み』なところがあるかなー。

  メルセデスといえば欧州車の中でも常にハイパワーなユニットでガッチリとしたボデーを動かすサルーン屋であり、BMWの起源はメルセデスのエンジン下請け。その伝統の中でSクラスや7シリーズにはV12ユニットが使われ、その下のEクラス、5シリーズにはV10、V8ターボが搭載されてきました。それとは全く逆の『EVシフト』とそれを見越した新プラットフォームが使われ、極端なことをいうと『プリウスを目指せ!!』という施策に変わりましたね・・・。この目を背けたくなる現実が形となって現れた悪夢のようなW213とG30。

  あまり悲観していてもしょうがないです。メルセデスBMWもさすがだなーと思うのは、軽量化してもなお、ハイトルク気味のユニットを持て余すようなヤワなシャシーではないこと。場合によってはプリウスやカムリに乗り心地で劣るケースもあるかもしれないですが、ランフラットを使わないコンプリートモデルや、マイバッハやブラバスが手を加えたスマートで世界観がはっきり提示されたモデルもあるので、まだまだ存在価値は残されているなとは思いますよ。


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