CARDRIVEGOGO アーカイブ・ブログ

はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

ジャガーFタイプ 名門ブランドのリアリティ

  ジャガーマツダが好きだ。現在のラインナップはどうもスポーツカーブランドとして十分な体裁をとれてはいないけど、「出来る限りのことはやってます」みたいな感じが滲み出ていてとても応援したくなる。経営上の不安定さから長期的なビジョンが描けないメーカーにとってスーパースポーツの開発は非常に困難を極める。だけどひとたびGOサインが出ると、ポルシェやメルセデスAMGに匹敵する素晴らしいクルマを作り上げてくるから驚きだ。

  ジャガーがブランド復興を期して開発した新型スポーツカー「Fタイプ」はどうやら日本では苦戦しているようだ。クルマ雑誌などの媒体では積極的な露出をしてきたけども、1925mmの車幅に加えて、ソフトトップ&2シーターと日本で嫌われる要素が重なっていて、これでそこそこ売れたら「事件」だなと思っていたが、やはり売れなかったようだ。だけれどもある意味で日本においては価値のあるクルマになったんじゃないかと思う。このクルマを愛して所有するオーナーの包容力はとてつもなく大きいことは間違いない。

  このFタイプの魅力はそれこそ無数にあるけど、一番強調したいことは徹頭徹尾「下品」ではないことだ。どのライバル車が下品だ!と糾弾するつもりはないけど、1000万円以上するクルマは絶対に隙があってはいけないと感じる。クルマに1000万円以上かけるなんて、特に目立つ社会的地位にいる人以外には100%不必要なことなわけで、それこそ金額がそのままクルマの出来に反映されてなければ失敗作だと思う。ベントレーメルセデスのフルサイズセダンならば隙があっても許せるが、スポーツカーやラグジュアリークーペとなると話は別だ。

  ジャガーのラインナップは少数精鋭でXKとFタイプの2台だけれども、いずれのグレードも実に精緻に作られている。セダンには直4ターボも積んでしまうジャガーだけれども、スポーツカーとクーペには一切の妥協が見られない。言い換えるとポリシーがあるということかな。「市場に迎合しない」ことが本当に良い事なのかはオーナーになってみないとなかなか判断できないことだけども、先述の車幅&ソフトトップ&2シーターを日本市場に無理矢理押し付ける「ドSっぷり」はドイツメーカーと一線を画している。ドイツ車はというと日本人のためのポルシェでありCクラスであり、日本車そのまんまの1シリーズこれはこれで歓迎すべきことではあるけど・・・。

  ジャガーの現行ラインナップは「日本人よオマエらが合わせろ」といった感じ。環八沿いに引っ越して横浜行く時の専用に使え!とりあえず屋根付き駐車場を確保しろ!普段のアシ用にフーガでも乗っとけ! とりあえずそんなシチュエーションがすぐに浮かんでしまう。右ハンドルが用意されている以外は何一つ迎合してくれない。価格はGJかもしれないけどさ・・・。 そんなジャガーだけれども、5LのV8エンジンにはしっかりと日本メーカーのスーパーチャージャーが付いていて、日本の技術が大好きというなかなかのツンデレぶり・・・。マクラーレンMP4-12Cもそうですが、ドイツ車に対抗するためには日本の技術にすがるしかないという訳です。なんとも可愛げのあるブランドじゃないですか?


「最新投稿まとめブログ」へのリンク