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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

プジョーRCZ-R  そこまでやって報われるのか?

  なかなか状況が好転しないPSAグループの起死回生の力作といった感が強いですが、RCZのハイパワーモデルとして加わったFFの限界を突き詰めたスポーツカーです。冷静に考えると211psが270psになったからどうした?という気がしないでもないですし、270psになったからといって売れ行きが良くなるとも思えないのですけどね。プジョーの狙いをあれこれ考えてみたところ、おそらく一つの狙いは「運転する人を選ぶクルマ」というコンセプトなんでしょうね。下手くそが乗ったら事故りますよ!だから初心者は買わないでね!プジョーは上級車向けのブランドなんですよ!っていう捨て身のブランディング? さてこれが功を奏すのでしょうか?

  RCZといえばモデル創設時から、アウディTTの公然たる二番煎じとして、コンセプトをそのまま拝借したクルマでした。TTやRCZのようなスペシャリティカーはあくまで趣味のクルマなのだから、パクる以上はオリジナルを様々な点で上回る個性を持っていないと、市場から完全に無視されて終わってしまいます。RCZもTTと好勝負ができるほどのポテンシャルが十分にあったとは思いますが、VWグループとPSAグループの勢いの差がその販売にもかなり影響したようで、予想以上に不振を極めました。例えるならトヨタ86をパクったスポーツカーをスズキが作ったみたいなものでしょうか。クルマ好きはもちろん喜びましたが、長い目でみるとRCZの発売ははっきり言って失敗であり、引くに引けないプジョーが懸命に手を加えてなんとか事態の打開を図っていますが、開発体勢が整っているVWグループのしかもイメージ戦略を担う中核モデルのTTには最新のパワーユニットが次々と搭載されTT-S(272ps)、TT-RS(360ps)が登場して、おもむろにRCZを引き離しにかかっています。

  TTにしろ、RCZにしろ、新参のA45AMGにしろ一般的にはセカンドカーとして所有されるクルマです。もっと自由に選ばれるべきクルマなのだから、この3社の悪趣味な馬力競争はクルマの本質を陳腐化させているんじゃないですかね・・・。そもそも直4ターボで600万円オーバーってかなりメチャクチャな設定ですよね。しかもどれもこれもサーキット用と言えるほど突き詰めた設定のクルマですよ・・・普通カタログモデルで売りますかね? クルマの魅力を引き出した販売という点においてはトヨタの86のほうがよっぽど考えられている気がしますが・・・。