欧州車はよく調べてから買った方がいい。
「シビックのエンジンってどんなもんなの!?」・・・ええっと、ホンダの1.5Lターボは何と言っていいかわからないけど、「甘ったれ」だね。実用域のちょっと上くらいまでパワー出しておいて、フィール自体はかなり誤魔化したユニットだよ。さらに食い下がられ、スペック表の見方を教える。最近では新しいエンジンが多くなっているし、改良も進んでいるから果たしてシビックのユニットがグローバルでどの辺に位置しているのかは、見当がつかない・・・これを機会に色々調べてみようかな。
1.5Lターボで最良の市販エンジンは!?
さすがに中国市場までチェックできないので、日本/北米/欧州市場に限定します。ざっと調べたところ、1.4〜1.6L級のターボエンジンを運用しているのは次のブランドです。
日産1.6T(5600rpm)
ホンダ1.5T(5500rpm)
スバル1.6T(4800rpm)
スズキ1.4T(5500rpm)
VW1.4T(5000rpm)/1.5T (4750rpm)
BMW1.5T(5800rpm/4400rpm)
メルセデス1.6T(5300rpm)
GM1.5T(5700rpm)/1.6T(5500rpm)
フォード1.5T(6000rpm)/1.6T(6350rpm)
フィアット1.4T(5500rpm)
PSA1.6T(6000rpm)
ルノー1.6T(6000rpm)
ボルボ1.5T(5000rpm)
ヒュンダイ1.6T(5700rpm)/1.6T(6000rpm)
14メーカーに及んでます。どれも似たり寄ったりのエンジンな気がしますけども、最高出力は140~275psくらい幅があります。ちなみにBMWですが、i8用のユニットだけは5800rpmで、その他の縦置き/横置きのフロント用エンジンは4400rpmです。本気を出せばトップレベルのエンジンを作れるけども、量販モデルにはあまり気合の入っていないエンジンを搭載するという露骨な作り分けをしています。
ドイツ車買うなら2Lターボ以上の排気量がいいかも
欧州の大衆ブランドであるPSAグループ(プジョー&シトロエン)は、かつてBMWと共同で作成した1.6Lユニットを使い続けています。当時からターボ版を6000~6800rpmで使うPSAと、NA版でやっと6000rpmのBMWの間に温度差(技術格差)が囁かれていましたが、それに嫌気がさしたのかBMWはこの1.6T通称プリンスエンジンをラインナップから除外しました。PSAにとってはトップモデルのユニットですけども、BMWにとってはボトムモデル用のユニットですから、力の入れ方が違うのは致し方ないところでしょうか。
VWは新しい1.5Tが来年にも日本に入ってくるようですが、現状の1.4Tよりピーク回転数は下がります。日本で人気がある、BMW&MINI、VW、スバルのターボユニットが『数字の上』では、買ってはいけないターボエンジン『ボトム3』になっています。3ブランド共に該当のユニットは、複数あるターボユニットの中で『下の方』のエンジンですから、元々ハイスペックに作ろうというインセンティブがないのだと思われます。スバルに関しては1.6Tはレギュラー対応のためにスペックを下げているらしい。
アメリカ車の進化は早い・・・
『数字の上』では頂点に立ったのが、フォード・エコブーストの1.6Tです。すでに日本市場撤退。2013年に登場したボルボV40がこれと同形式の1.6Tを搭載していました。あの福野礼一郎氏が著書で市販車ターボエンジンでぶっちぎりの最良だ!!と叫んだ1.6Tエコブーストですが、当時はまだまだ5700rpmのユニットでした。福野さんが言うには、トルクが途切れない!!上までしっかり回る!!ってことだったですけども、あのクラスの評論家になると、やはりこのエンジンの『将来性』まで見抜いてしまうのでしょうか。
確かに日本以外のカーメディアでは、手頃でスポーティなクルマとしてまず最初に挙がるのは「フォード・フォーカスST」という高性能モデルですね。米カーアンドドライバー、英オートエクスプレス、独オートビルドにおいても、シビックtypeRやゴルフRなんかよりも断然に露出が多く評価も高い。なんで日本のユーザーだけがこのクルマを買うことができないのか!?そして「やる気があまりない」失礼ですがカスなターボエンジンが幅を利かせているのか!?
フォードのターボエンジンの進化を追いかけるのがGMとヒュンダイ。これにホンダ、日産が加わって北米では『シビック』クラスのスポーツセダン市場が盛りがっているらしい。ちなみに日産は1.4Tで190ps出すユニットが販売されているらしいけど、スペックまで調べられませんでした。これからはガソリンが安い北米でターボユニットが進化するのかな!?
1.5Tなど興味ない宣言のMAZDA と 意地を見せるメルセデス
日本市場でターボエンジン車を買うなら現状ではルノー、PSAのフランス車を選ぶのがいいみたいです。ドイツ車を買うならもっと排気量が大きいモデルを選んだ方がいい!?マツダの人見さんが提唱する「ライトサイジング」に、ドイツメーカーがかなり刺激を受けていると、某技術系雑誌の片隅に書いてありました。しかしドイツの自動車産業が、あっさり日本に対して負けを認めるはずもないようで、メルセデスはいよいよ1.6Tにも電動ターボを仕込んだ『M264』と呼ばれるユニットを完成させたらしい。
VWやBMWが回転数を下げて低速トルクを豊富にするターボユニットを熱心に作っていますが、メルセデスの新型エンジンは、低速トルクは48Vのモーターに依存し、エンジン自体は不自然なトルク配分で上を全部カットするなんて大雑把な仕様から脱却するらしいですね。なんか本来ならホンダか日産が先にやるべきことをメルセデスにやられてしまってますね〜・・・。