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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

悩ましいリアルスポーツの価格。

  リアルスポーツが次々と日本に襲来。とってもいいことなのですけども一抹の不安もあります。世界中のブランドが日本で爪痕を残したい!!と挙ってやってくる。「せっかく作り込んだのだから、リアルスポーツの国・日本に挑戦したい!!」って本気で思っているかどうかはわかりませんが、シビックtypeR、ジュリア・ヴェローチェ、カマロSS、アルピーヌA110、アウディRS5など・・・どれもこれもいい感じのオーラ出してますわ。

  価格帯は450~1200万円くらいまでで、日本で定番の『WRX』から『911』までの価格帯に収まることを狙って設計されているみたいです。すでに先行して登場しているアルファ4C、ゴルフR、ジャガーFタイプや、日本にしっかり根を張ったエリーゼエキシージ、718ケイマン、718ボクスターコルベットなどなど・・・。価格も絶対に無理ではないくらい(かなりしんどいけど)、「クルマが本当に好きなら買ったらいいんじゃない!?」と絶えず呼びかけられているような感じ。

  高性能車の価格はどんどん上がる・・・。21世紀に入ってからそんな脅迫観念とともに20年近くが経過しましたが、より現実的にユーザーを求める価格に収まるモデルも着々と増えてます。2000万円を超えたNSX、450万円のtypeR、200万円のS660と、当たり前ですけどマーケティングはバッチリで、どれもセンセーショナルでしかもホンダのオリジナリティーが存分に発揮されていて3台ともに上手くまとまっています。対するトヨタは1300万円のレクサスLC、300万円の86。ここに600万円のスープラを押し込んで来るのかな。こちらは設計の個性よりも、なぜかFRオンリーのこだわり。そして質感だったり部分最適化による保守的なスポーツカーを揃えています。

  ホンダとトヨタにここまで闊歩されたら、他のブランドはひとたまりもないでしょうけど、日本のスポーツカー・ユーザーはとにかく舌が肥えているので、とにかく『興味深い』クルマを作って、無茶ではない価格で売るならば、意外に上手く行くのでは!?とりあえず発売初年でなんとか1000台くらい売れれば、コアなファンができるでしょう。しかしこの年間1000台という一見何でもない数字が結構難しいようで、果敢に挑んだものの達成できなかった輸入スポーツカーもいくつもあります・・・例えばプジョーRCZとか。

  RCZくらいにそこそこ知られた存在でもダメとなると、日本メーカー、ドイツメーカー以外が安易に挑んでもほぼ無駄!?という気もしないでもないですが、それでもRCZが悪戦苦闘したひと昔前とは市場環境もだいぶ変わってきているようです。例えば月に2000台程度売れるVWゴルフの内で、その5%程度は500万円以上する『R』が選ばれているようです。ちょっと不器用過ぎてあまり前のめりにはならなそうな、ゴルフRでも年間1000台をクリアする水準に到達したようです(VWのディーラー網というのもあるでしょうけど)。アウディも究極のスポーツモデルばかりを揃えた『RS』が日本でも年間1000台以上は売れるようになってきているとか。確かにAMGやMよりもエンスー度が高めかも。

  トヨタ86は年間1万台、マツダロードスターは年間4000台。どちらも300万円じゃ足りない!?くらいにじわじわと単価が上がってきているので、この台数でも十分じゃないかと。86なら年商300億。ロードスターも年商120億。って決してハナクソな数字ではないはず。RSの平均単価はおそらく1000万円越えでしょうから年商100億はあるはず。20%がインポーターの取り分だとしても20億円。社員200人くらいは余裕で抱えられる!?

  「WRXから911」の価格ディスタンス、と簡単に言われても敷居は十分に高いです。しかしメーカーにとっても月に100台売るのが精一杯でも販売を継続できるだけの価格だからこそ、存分にエンスーの気持ちに答えられるモデルが作れるわけで・・・。ユーザー側も背景を汲んで、腹をくくって、そのクルマと真剣に向き合い、その価値を見定める必要があるのかなーという気がします。300万円のプ◯ウスに乗るくらいならクルマなんて要らない!!っていう人もいるでしょう(そういう人増えてる!?)。クルマに限らず身の回りの持ち物にこだわることって、実は人生をどう生きるかに結構密接に関わっていることに人々が気がつき始めた!?ってのもあると思います。

  ネット社会で気軽に大勢の人とコミュニケーションが取れる一方で、オシャレをして出かけるリアルなライフタイムの「質」が人生の価値に大きな影響を与えてるように感じるんですよねー。極端な話をすれば、昔みたいに汚い格好してリュック背負って旅に出るという行為が、グーグルアースやインスタグラムの登場で変質してしまった。時間をお金をかけてそこにたどり着いても、そこにあるのは「画面」の景色でしかなく、場合によっては天候に恵まれていないかもしれません。もう『何かを見に行く』のが旅ではなく、出発してから帰ってくるまでのプロセスが『人生の一部』として価値があるか!?に重点が置かれるようになってきたのかなー。

  つまりプロセスの中で自分がどういう「服」を着て、どういう「靴」を履いていたのか?(そしてどんだ人と出会ったのか?) あるいはどんなクルマに乗って出かけたのか、どんなラグジュアリーな乗り物や宿泊の空間を楽しんだのか、・・・そういった過程そのものが消費の対象になっていると思います。JRの豪華列車が人気があるように、スペシャルなクルマの需要が穏やかながらもそこそこ伸びる世の中になるんじゃないか!?レンタカーにもその波が押し寄せてくるのでは!?という気がしています(オリックスNSXのレンタカーを開始)。

  さて発売がスタートしたシビックtypeR、ジュリア(全グレード)、カマロ(全グレード)は年間1000台の壁を超えることができるのか?最寄りのアルファロメオ・ディーラーに問い合わせたら、とりあえず3台を(買取で)入れて1台だけ注文もらったけど、あと2台残っていてこれなら1ヶ月以内に即納できます!!とのことでした。・・・やっぱり現実は厳しいのかな!?アルファロメオ全体では年間1000台はクリアできていますが・・・。

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