英国の某ネットカーメディアが「ゴールデン・ステアリングホイール2017」を発表しております。ベントレーとかいう見掛け倒しなボンクラを許容する英国がハンドリングの世界一を決めるってどんな冗談だよ!!と英国人なら笑い飛ばすんですかね。まあ日本のカーメディアが選んだところで、「トヨタっていうクルマに似た乗り物が大人気な国の連中に何がわかるの!?」って言い返されるでしょうし、ドイツもアメリカも状況は似たようなもの・・・ハンドリングにこだわりを持っているのはイタリアくらいかも。
カーメディアのアワード企画か〜・・・もう嫌な予感しかしない(カーグラフィックの醜態しか思い浮かばないや)。あまり穿った見方はしてはいけないです。欧州では日本以上に自動車メーカーによる「自作自演」な「演出」が、しばしば不祥事と結びついて問題になっているんだそうですね。ドイツは相当きな臭いことになっているらしい。しかし欧州ではメディアも視聴者も一枚上手で、汚い手段を使うメーカーが特に嫌われているわけではなく、メディアとつながりを持つ業界なんてだいたいそんなもんだ・・・くらいに大らかに構えているらしい。警察がオレオレ詐欺を撲滅する為に人員をたくさん割いて、税金で啓発キャンペーンをやっている過保護すぎる国とは全然違うってことかな!?
予感的中!!案の定ですけども、某ドイツ系グループのクルマが大半の部門を占めています。6部門の授賞車は・・・
[スモールカー部門] オペル・アンペラE
[ミッド&ラージカー部門] VWアルテオン
[コンパクトSUV部門] シュコダ・カラク
[ラージSUV部門] アウディQ5
[スポーツカー部門] ポルシェ・パナメーラ・スポーツツーリズモ
[ビューティフルカー部門] アストンマーティンDB11
最後のビューティフルカー部門ってなんだよ。無理やり英国車を押し込みたいだけなのか!?
アンペラEやカラクは大衆モデルで価格もそれほど高くなさそうですが、そんなにハンドリングがいいなら日本に正規導入して欲しいかも。アンペラEが競り勝った相手は、シビック、フォード・フィエスタ、ルノー・ゾエなど。どれもハンドリングに関しては多方面から評価されている有力モデルばかりなんですけども、ドイツ・オペルが手がけたピュアEVはそんなにレベルが高いのか?さらにこの部門には日産リーフ、BMWi3もエントリーしていたらしいですけど、シボレー・ボルトの兄弟車であるこのアメリカ由来のEVに日独のエースが負けちゃうのか。まあボルト/アンペラはすでに航続距離が新型リーフと同等の400kmに達していてとても優秀なピュアEVらしいですが・・・。
VWグループのチェコメーカー・シュコダのカラクは、MQB使用のSUVです。簡単にいうとVWティグアンの兄弟車。車格はエクストレイルやCX5みたいなモデルです。数年前から欧州ではこのクラスのSUVが流行っている見たいですけども、今年はめぼしいライバルが居なかったのか!?いやいや日本で不思議と絶賛されていたあのトヨタC-HRがいます。そして期待される三菱エクリプスクロスもすでにエントリーされていました。トヨタ、三菱といった欧州でも実力が認められている日本メーカーが「走り」にこだわって作った最新の勝負モデルが歯が立たないとは、シュコダってすげーメーカーなんですね。VWティグアンでは日本勢のSUVに対してちょっと分が悪い気がしたんだけども。
アウディQ5は、ポルシェ・マカンと兄弟車ですからねー。まあ素性がいいクルマですけど、ボルボXC60やアルファロメオ・ステルヴィオよりも高い評価なんですねー。ボルボもアルファロメオも、Q5/マカンを倒すための4輪DWB導入だったんですけどねー。・・・ん?この選定はドイツ、フランス、イギリスのユーザーによって決定していますって書いてあった!!そしてイギリスだけの評価だと、ラージSUV部門はプジョー5008なんだってさ。え!?あの3列シートがトップになるの!!
他の部門にもそれぞれ「イギリス単独選出」ってのが書いてあった・・・
[スモールカー部門] ホンダ・シビック
[ミッド&ラージ部門] BMW5シリーズ
[コンパクトSUV部門] シトロエンC3エアクロス
[ラージSUV部門] プジョー5008
[スポーツカー部門] ホンダNSX
[ビューティフルカー部門] アストンマーティンDB11
なるほどイギリスだけの選出の方が自然な感じがするかも。やっぱりキビキビ走るブランドの代表格といったらBMWとホンダだろうし。そもそもアワード!!ってことで大賞を決めておいてから、小さくイギリス単独選出なんてわざわざ書いているのだろうか? これまた穿った見方かもしれないですが、今時のカーメディアの処世術ってやつですかね。メーカーにもユーザーからも信頼されるメディアになるためには、頭使わなきゃいけないんですねー。