CARDRIVEGOGO アーカイブ・ブログ

はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

もういい加減に「ゴルフ」はやめませんか?

  「なぜ北米では大衆車(1万8千ドル〜)のゴルフが日本では300万円もするのか?」

  北米では「VWゴルフ」はかなり安いです。トヨタのオーリス(北米ではマトリックス)やマツダ・アクセラハッチバックよりも安く設定されているくらいだから当然に売れているかというとぜんぜんで、ライバルの日本車に大きく差をつけられています。北米でもハッチバックがかなり売れるようになってきていますが、「世界のベンチマーク」を自称するVWゴルフは全くといっていいほど主導権を握れていません。そもそも「ベンチマーク」どころか1.4Lのターボ&スーパチャージャーというエンジンスペック一つとっても全くフォロワーが現れていません。

  それでは北米で一番売れているCセグは?というと、1位がトヨタカローラ/マトリックスで2位がホンダシビックです。それぞれ2万台以上を毎月売り上げています。VWグループ全体(アウディを含む)のアメリカでの売上は月に3万台ほどなので、いかにカローラシビックが売れているかがよくわかると思います。ちなみにVWグループの北米での販売の中心は「パサート」や「ジェッタ」といった3BOXカーなのですが、こちらもトヨタカムリより安い価格設定にもかかわらず、完全に「蚊帳の外」です。

  そもそも北米での「フォルクスワーゲン」は、ヒュンダイ・キアや日産の廉価モデルとの間で、「北米最安値」を競うメーカーにも関わらず、販売台数がBMWやMB、さらにスバルやマツダと同じくらいしか売れていません。ほぼ全てのグレードのモデルをトヨタ車より1000ドル以上安い価格から設定しているにも関わらずに、この販売台数なので「北米ではまったく相手にされていないブランド」かもしれません。

  そんなVWはなぜか「アジア」ではやたらと「殿様商売」を仕掛けてきて、かなり「上から目線」でクルマを売っています。ゴルフはカローラに次いで累計販売台数が多いクルマとされていますが、その多くは発展途上国での「ノックダウン」生産により4代目までのトーションビームを使った大衆車バージョンで世界中に拡販した結果にすぎません。2003年に登場した5代目ゴルフからは「クオリティ」路線に変更し、日本のカローラとは比べられないクルマになっていきましたが、同時に2006年までは4代目のノックダウン生産が続けられていたようです。その後はさらに小型のポロやup!に「途上国市場」は譲ったようで、現在ではそれほど販売台数は増えていないと言われています。

  世界市場でみれば、どこか胡散臭いクルマと言える「ゴルフ」は日本人を初めとしたアジア人しか喜ばないクルマになっています。そして7代目に至ってはついに「トレーリングアーム式」という、超低廉価サスを装備した「コンフォートライン」なるものが登場してきました。まさに「胡散臭い」クルマだなと改めて思います。このクルマをどうやって日本でうるのでしょうか。「軽量化のためにサスの簡易化がどうしても必要だった」とでも言って納得させるのでしょうか?

↓23日発売の「Car and Driver」6月号では、「ゴルフ7」はどのように伝えられるでしょうか?この雑誌は「解りやすく」て「とてもバランス感覚
に優れて」いるので、安易なことは言わないでしょうが・・・。