「国民車」として今の日本で一番親しまれているクルマは何か？ディーラーの営業力を考えるとトヨタのクルマになるのだろうけど、プリウスが「日本を代表するクルマ」としての地位にあるかどうか？には意義がある。しかしプリウスに難癖をつける人間は、大抵は自分みたいに他のクルマを強烈に愛している人が多いのも事実だ。なのでプリウスは「実際にはいいクルマなのだが、クルマが好きな人にはボロクソに言われる傾向があるので、プリウスがいいクルマであると言わない方がいい」が正解なのかもしれません。
それじゃあ、クルマが大好きな人々にもちゃんと納得してもらえる量販車種は何か？スバルのインプレッサには多くのクルマファンを納得させるオーラがあるように思う。トヨタのオーリスやマツダのアクセラと比べても、ほとんど同じようなスペックのクルマなのだが、インプレッサだけはあまり文句をつける人がいない。たとえばより大きなエンジンを積んだクルマに乗った人が、このクラスのクルマを「ぜんぜん走らないな・・・」みたく言う事があったりするが、インプレッサというとWRXという2Lターボのモデルを想像するらしく軽々しくは文句を言わないのだろうか。それだったらアクセラにだって国産FFの最速とも言われるターボヴァージョンが存在するが、こちらはWRXほどにその存在が知られていいないということかも知れません。
たしかに現行型のインプレッサはライバルと比べ頭一つ抜け出した印象です。オーリス・アクセラと比べて低価格にも関わらず、内外装のデザインの良さが際立っていて、この３車で比較したらほとんどの人がインプレッサを選びそうな出来映えです。去年からHV化が噂されていましたが、どういう顛末になるかはまだはっきりしませんが、どうやらSUVモデルのインプレッサXVのみに設定されるとか・・・。親会社のトヨタとの兼ね合いがとても微妙になっているようです。インプレッサの販売を邪魔しないようにオーリスやカローラは控えめにやっておくから、変わりにインプレッサのHV化はプリウスと競合しないようにSUVモデルだけにしろといったところでしょうか・・・。トヨタとスバルの絶妙な共存策にも見えますが、ここにホンダが燃費でプリウスに匹敵するようなシビックを出してきたら、プリウスもインプレッサも負けてしまうかもしれません。
プリウスとインプレッサはあくまでトヨタの戦略上の２台であり、どちらも不完全なものです。もし本気で日本で大ヒットするクルマを売りたいなら、北米版のカローラの車体にプリウスのHVを載せれば、インプレッサのデザインとプリウスの燃費を備えたとんでもないクルマができます。そんなことをしたらトヨタの他のラインナップが一気に販売不振になる可能性もあり、販売チャンネルをトヨタブランドで４つにレクサス・スバル・ダイハツの計７つを持つトヨタグループとしては得策ではないということなのでしょうか・・・。
↓ベストカーでも大活躍の清水草一さんです。この方はわざとバカキャラを使ったり、やたらと熱い哲学を振りかざしたりと多重人格なライターさんのようで、とても楽しいし誠実な印象もありますね・・・。
