ホンダカーズに行って試しに見積もりを取ってみたら、とりあえず乗り出しで300万円を大きく越えてしまったヴェゼル。2015年に日本で一番売れてたSUVで、そして現在も勢いが続いているので、値引きもなかなか辛い雰囲気でした。営業用に使うクルマではないので、一般ユーザー向けがほとんどでしょうけども、「300万円を軽く越える」という塩梅が、良くも悪くも中流意識が強い日本の一般家庭用として支持されているようです。もともとこのヴェゼルのような５ナンバーのBセグ車をワイド化してSUVに仕立てるという企画は、日産がその先駆けとして「ジューク」を発売し、フランスで大ヒットさせて以降に世界中の小型車を作るメーカーに広まりました。ジュークも登場時は、その斬新すぎるデザインが「ゴキブリみたい・・・」だと気味悪がられたもので、日産のデザインを統括するカリスマ・中村史郎さんに対しての批判も相当にありました。しかし今やSUVの老舗「ジープ」から、ジューク以上に「ゴキブリ感満点」のデザインが次々と登場しています。
日本市場で非プレミアムとして展開している国内外のブランドから、相次いでこの手の小型SUVが発売されています。各メーカーともに激しい競争の中で存在感を出すためにも、かなり趣向を凝らしたデザインになっているようで、このジャンルのモデルがブランドのイメージリーダーになっているケースも多いようです(ヴァゼル、CX３、キャプチャー、2008、XVなど)。一気に車種が増えて収拾がつかないわけですけど、一応デザインで分類すると以下の４種類に分けられるかなと思います。
(１)ワイルドで個性的なマスクでアクティブな演出・・・日産ジューク、ジープコンパス/レネゲード、フォードエコスポーツ
(２)ポップ&キャッチーそしてレトロフューチャー・・・ミニクロスオーバー、ルノーキャプチャー、フィアット500X、マツダCX３
(３)「ガンダム顔」 シャープで近未来な都会派・・・ホンダヴェゼル、スバルXV(厳密にはCセグだが)
(４)特別なテイストは排除した正当派・・・VWクロスポロ、プジョー2008、スズキエスクード、三菱RVR
意外にもトヨタはまだこのジャンルに未参入です。近々アクアのクロスオーバーモデルが発表されるという噂がありますが・・・。
どのスタイルがオススメというわけではないですけど、ちょっと余計なことを考えてしまうと、(１)から選ぶ場合には、デザインが周囲から理解されない可能性があって、中には「センス悪い」とまで決めつけてくる頭の固い人も結構いると思うので、そのヘンが気になる人は避けた方がいいですよね。(２)を選ぶと、今度は「狙い過ぎ」というレッテルを貼られるのが嫌ですね。変に垢抜けたデザインだけどベースは大衆車で特別に乗り心地がいいわけでもなく、走りが優れているわけでもない・・・実はクルマにうるさい人からあれこれ言われる恐れがあったりします。(３)は一見端正に見えますけど、オシャレ好きな人からはなんだか「ガキっぽい」と思われがち・・・車体にアニメの絵を描いてしまう人が購入しそうなクルマなのは確かです(痛車は最近だいぶ減ったような気が・・・)。(４)なら無難かな。誰からの後ろ指さされないタイプのクルマだと思います。ただし個性が無いデザインというのも考えもので、ミニバンやコンパクトカーが溢れる日本の道路の中に完全に埋没していきそうな「空気感」に耐えられるかがポイントですね。
最近やたらとフィアット500Xの「ステマ記事」を見かけるような気がします。セールスポイントは誰にでも説明抜きでわかりやすく作られているとは思うのですけど、わざわざ専門家があれこれとこのクルマを購入するメリットを説明しています。「ファミリー用途で使える」「デザインが親しみやすい」「走りが軽快」「価格も同クラスの日本車並み」などなど、なんでこれだけの要素を備えているのに売れないの？って逆に怪しんでしまうほどです。ルボラン２月号の福野礼一郎氏の連載「比較三原則」にも登場し、ライバル車のミニクロスオーバーに異例の大差で圧勝！という評価になっています。果たしてこれも「ステマ」なのか？それとも比較対象のミニクロスオーバーがダメ過ぎるのか？
とりあえず現状ではこのクラスの輸入車勢は250万円前後で横並びになっていて、これまで以上に実用性が高くて価格も手頃なので売れるか？と思いきや、輸入車と同じかそれ以上の価格設定にもかかわらず、HVを備えたヴェゼルやディーゼルのCX３、190psのハイパワーターボが売りのジュークの方にユーザーの注目が集まっているようです。この分厚い日本勢の壁を最初に突破するBセグSUVは？ フィアット500Xは果たして・・・。
リンク
「最新投稿まとめブログ」
