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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

スカイラインクーペ 改めインフィニティQ60 ついに登場!

  レクサスLC500に続いて、日産からも新型クーペが発表されました(クルマ好きのボルテージMAXな新年ですね!)。それにしてもレクサスも日産も東京MSを完全にスルーしてデトロイトで発表するとは・・・。どちらも東京MSがもはやオワコンだと決めてかかっているようですね。外国プレスがよりたくさん集まる会場でいかに主役になるかが大事ですから、まあ致し方ないわけですけど。それに対して日本のファンの支持で成り立っているマツダBMWは東京MSでしっかりワールドプレミアしてますね!ブランドにも格ってのがあって、デトロイト級(レクサス、インフィニティ)と東京級(マツダBMW)では違うってことでしょうか。グループ全体で800万台超ならデトロイトで、200万台以下なら東京・・・。

  さてスカイライン・クーペ後継となる新型クーペなんですが、先に登場しているセダンは、コンフォータブルなサルーン志向の時流に合わせて(チャイナ・トレンドらしい)、全長を伸ばしてきたので、クーペもそれに応じての「伸び」があるかが注目されましたが、現行のスカクーとほぼ同じサイズに収まりました。基本的なコンポーネンツは先代のものを引き継いでいるわけですから、大きな需要が見込めるセダンならまだしも、販売が不透明なクーペのサイズまでわざわざ弄るのは無駄という判断なのだと思われます。あくまで個人的なイメージですけども、4700mm以下のスペシャリティ・クーペ(非スポーツカー)というのは「女性・老人のためのクルマ」という印象が拭えないんですよね。できれば4750mmくらいまで伸ばして、目を奪うような伸びやかなデザインを目指してほしかったですね。

  搭載されるエンジンも同時に発表されていて、2L直4ターボと3LV6ターボ(300ps仕様と400ps仕様)の3本立てになるようです。排気量と気筒数からもCクラスに使われるものと一致するので、おそらく全てがメルセデスのユニットになると思われます。車体が小さいままなので、セダンに使われている日産製のHVユニットはどうやら搭載不可になったようです。果たしてこのクルマは従来通りに栃木で量産されるのでしょうか・・・それともメルセデスの工場に移管か。「あえて国産車に乗る!」みたいなこだわりを示せる数少ないモデルの一つがこのスカイラインクーペ・シリーズだったのですが、エンジンは全て他社製になり、生産も海外になってしまったら、これまで指名買いをしていた日本の「国士」達もいよいよ行き場を失ってしまいそうです。

  エンジンの全面ターボ化に合わせて、これまで用意されてきたマニュアル・ミッションも無くなってしまいそうな予感です(いっそう女性向けが鮮明に!)。ターボ車にMTがダメというわけではないのですが、「アストンマーティン・V8ヴァンテージ」「フォード・マスタング」とならんで「MT&大排気量」を備えた「三大スペシャリティカー」の一角として独特の世界観を誇るためには「自然吸気エンジン」であることが不可欠ではあったんですけどね。

  まあスペシャリティカーの存在すら危うい時代に、こういうクルマを継続して出してくれるだけでも日産は素晴らしいと思います。この新型Q60も日産車の特徴に漏れず、「褒めるところ満載」のクルマなんだと思います。とりあえず現段階でわかるエクステリアデザインを見るだけでも、日産デザインを統括するカリスマ・中村史郎氏の「気迫」を感じます。あくまで推測の域を出ないですけど、「中村さんの時代は終わった!」とばかりに挑戦状を叩き付けてきた新生マツダの「父」前田育男氏に対する強烈すぎるレスポンスにも感じます。完全に日本車の正義に祭り上げられて、有頂天気味のマツダに対して、「本格スポーツでもラグジュアリークーペでもいいから、作ってみろよ!」と中指を突き立てるかのように挑発的な、テーマカラーの「赤」そして「淫美なリアデザイン」・・・マツダだけが特別なんてことはないぞ!と言いたげです。

  もちろんインフィニティQ60の直接のライバルはマツダなどではなく、目下のところはレクサスRCです。こちらも章男社長に大抜擢された異才デザインチーフの福市徳雄氏の監修の元、レクサスのイメージを大きく変えるようなアバンギャルドなデザインを連発しています。レクサスの市販車の中でも特にその才能がいかんなく発揮された「レクサスRC」を見て、中村氏が「なかなかやるな・・・」と思ったかどうかはわかりませんが、発売時期が当初よりも約1年も遅れた理由はレクサスの思わぬ躍進にあったのではないかと思われます・・・。2013年初頭のセダンデザインの公開時に、日産のグローバルデザイン担当である相田修平氏がインタビューで「クーペは完全に別モノとして攻めまくる!」と宣言しておられましたが、セダンが既に発売されているのに、クーペの情報が全く出てこない完全シャットアウトだったことから、何らかの「予定変更」があったんだと思います。

  去年10月の東京MS開催時に、世界の主要ブランドのデザイナーを東京に結集させた中村氏。メルセデス好調の原動力と言われるゴードン=ワーグナー氏、マツダからルノーへ移りルノーデザインを一新させたローレンス=ヴァン=デン=アッカー氏の欧州の新時代を象徴する2大巨頭もやってきたらしいです(どちらも日産の関連メーカーですから・・・)。イアン=カラム氏など高級スポーツカーやスーパーカーの名デザイナーはいくらでもいますが、量産される小型市販車で結果を残すデザイナーの仕事っぷりというのは天賦の才能じゃないかと思います。巨匠・ジョルジェット=ジウジアーロの意志を次ぐ人々の戦い・・・中村、ワーグナー、ヴァン=デン=アッカー、前田の4氏の今後の展開が楽しみです。

追伸・・・3LのV6は日産の新型エンジンだという報道があります。てっきりC450AMGのものだと思いました。

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