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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

レクサスIS-Fは、トヨタの技術をフル動員してグランドツアラーの頂点を目指せ!

  トヨタは日本を代表する自動車メーカーとして、「日本車」としての理想型を目指す姿勢に溢れたクルマ作りという意味では一貫した姿勢を保ってきました。そのストイックなまでのスタイルから、欧州車の「猿真似」という評価をされることをもっとも嫌っている日本メーカーとも言えます。近年では世界に先駆けて全車種にHVを設定するという「オリジナル」なコンセプトを掲げてその最先端を進んでいます。2013年頃からは世界の名だたる高級車ブランドが、レクサスに追従してHV化へ舵を切り始めました。メルセデスベントレー&ポルシェの2大勢力がHV/PHVを全セダンへと拡大するなど、トヨタは新たな旋風を世界の自動車産業へと発信しています。

  そんな「トレンド」リーダー・レクサスの中でも「IS-F」は、ドイツブランドのコンセプトを拝借したと言われても否定できないモデルとして独特のオーラを放っています。LS・GS・ISの3つの基幹車種すべてにV8エンジンモデルを設定するという日本導入当初のブランドコンセプトがそのままドイツブランドらしさにつながっています。この方針は現在も受け継がれていて、2代目になってV8モデルがラインナップから消滅したGSにも、新たに「GS-F」が設定される見通しです。先代GSのV8搭載モデルが本体価格で700万円を切っていましたが、残念ながらGS-Fの1000万円超えは確実みたいです。

  現行の「IS-F」の本体価格が約833万円です。この価格自体は例えばライバル車の1台である「メルセデスC63AMG」が1116万円ですから、まあ妥当な価格です。しかし「走行3万キロ以内」の中古車価格を見ると、IS-Fが400万円~、C63AMGが500万円~ですから、「潔癖性」でなければとりあえず出費の半分以上は節約することも可能です。耐久性が自慢のV8車ですから中古車のバリューは他のクルマよりも高いわけですが、それでも悪燃費を気にして敬遠されてしまうのでそれほど高騰していない印象です。ちなみにすでに絶版車となっているM3(E90系)は同じ条件で550万円〜となっています。2007年に一斉に発売されたこの3台は、日本の道路事情で使いこなせるという意味では合理的かつ「ハイクラス」なクルマです。どれもV8のNAですが排気量に応じて、車重が軽いことが功を奏してか、走りの完成度という意味ではM3が一歩リードしているようで、中古車価格にもそれが表れています。

  2007年といえば日産GT-Rが日本中を熱狂させた年でもあるわけですが、6年経った今となっては、大排気量ターボ&AWDというガソリンを垂れ流して走る「暴力的」な設計は日本ではどうやら受け入れられず、マツダのロータリー・スポーツが再起不能に陥っているのと同じ状況へと、GT-RアウディRSシリーズも置かれています。走りたいヤツは「ガチ」スポーツカーにしておけ!という雰囲気が日本を覆っていて、なんだかんだでポルシェが大人気なんですよね・・・。

  AWDと違ってジェントルRWDにこだわったIS-F、C-AMG、M3はエンジンとミッションの改良によりまだまだ燃費改善の余地があるようで、M3を皮切りに新世代へとFMCが進んでいますが、9km/L程度だったカタログ燃費が12km/L前後まで改善される見通しです。M3は新開発の直6ターボで発表されましたが、C-AMGは6.3LからSLKなどに使われる5.5LのNAへと積み替えが行われ、C55AMGになると噂されています(SLK55AMGは1640kgで11.2km/L)。
  
  IS-Fの登場は早くても来年の夏になりそうですが、現在発売されているレクサスIS350FスポがJC08で10.0km/Lですから、これを超えることなんてあるのか?という気もしますが、IS350Fスポも年次改良で向上させた上でならば、新型IS-Fが12.0km/Lになるという可能性も大いにあるでしょう。セダンベースのスポーツカーではなく、グランドツアラーとしてのさらなる進化と新しい価値の想像を期待したいところです。


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