CARDRIVEGOGO アーカイブ・ブログ

はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

ボルボはもはや最高レベルに頑丈で安全なクルマではないのに・・・。

  一昔前に破綻したMGローバーが、中国で新たに復活を遂げようとしています。ひと昔前ならば誰も見向きもしなかったかもしれないですが、今や中国メーカーの自動車製造技術は無視できないレベルにまで達しています。日産の顔を言えるVQエンジンの開発を取り仕切った日本を代表するエンジニアが現在では中国メーカーの顧問をしていたりするわけですから当然のことかもしれないですが・・・。日本のエンジニアと欧州の一流デザイナーをかき集め、名門ブランド商標を買取り続ける中国メーカーがどこへ向かうかは明白です。

  中国車がどのタイミングでグローバルへと溢れ出すのか?その時が刻一刻と迫っているのは確かですが、その中で初めて日本上陸を果たす中国車のブランドはどこになるのでしょうか? この「日本最速上陸レース」の先頭争いは現在相当な混戦模様です。現実的に起こりそうなのが、ドイツのVWでしょうか。中国シェアがブランド全体の約半数に迫る200万台以上!そのほぼ全量を中国で現地生産しているのですから、もはや立派な”中国メーカー"と言っていいくらいです。

  200万台という数字は好調なスバルとマツダのグローバル生産台数を合わせた数に匹敵します。もちろんトヨタ、ホンダ、日産の各社もアメリカで同じくらいの規模で「現地生産」を行っていますので、そこまで驚く事ではないですが。VWとしては中国に集約した生産工場で日本向けのクルマも作ってしまいたい意向は前々から持っているのですが、現実には時期尚早だとして日本側の代理店が必死で反対するので思いとどまっているようです。しかし時流には逆らえず、数年後にはおそらく中国製ゴルフが日本に供給されるでしょう。

  VWの直近の動きを見ると、このメーカーがすでに日本市場を見限っていることがわかります。日本でのVWニーズは150万円〜200円台のクルマがほぼ全てで、500万円前後で設定されたCCやイオスといったラグジュアリーモデルはまったくと言っていいほど売れませんでした。それを受けて日本は北米や欧州のラインナップと切り離されて、CCもイオスも供給されなくなりました。日本人ユーザーにクルマの良し悪しを見極める眼力が無いというつもりはないですが、200万円そこそこで輸入車のバッジが付いていれば何でも良いというスタンスは残念ながらあると思います。CCやイオスの代わりにインドや東南アジアで50万円程度で販売されるポロと同じエンジンのクルマの割合が増えています。なぜ200万円もするのかとても不思議です。

  そのVWを追い越して早い段階で日本に中国車を持ち込みそうな勢いなのが、中国資本下にあるボルボです。こちらは間もなくフォードベースのエンジンを手放し独自開発の4気筒を開発し、この単一エンジンで全ラインナップを網羅するPSAグループのような方針を採ると発表されています。経営基盤が脆弱なため、持続可能なレベルまでグローバルシェアを高め、生産増加分は効率的な中国の工場に移管される見込みです。そうなると日本市場にやってくるのは中国製ボルボになるでしょう。

  ボルボと言えばかつては「安全性」を声高に謳うメーカーでした。現在の主力車V40はマツダ・ビアンテプレマシーが使うのフォードC1プラットフォームを使用し、その恩恵でマルチリンクを装備するなどCセグプレミアムカーとしてのポイントを押さえたクルマになっています。欧州で大活躍するフォードCセグの実力の片鱗がこのクルマには見られます。ただしデビューしてきたのが遅かった感がすくなからずあります。兄弟車だった先代アクセラも退役し、アテンザと統合した新しいプラットフォームになりました。

  マツダの新シャシーと時を同じくして登場した、日産、ホンダ、スバルの新型車はいずれも打倒VWを掲げて、1000Mpaを超える鋼板を使うのが当たり前になっています。マツダの1800Mpa、スバルの1500Mpa・・・と完全にゴルフを意識したとしか思えない設計。一方でボルボは最も固い鋼板でも800Mpaでしかなく、もはやのブランドが謳うイメージは完全に過去のものになっています。「ボルボVOLVOではない」とよく言われますが、今後はトヨタのような「健全経営」を目指すであろう青写真からして、妥当な表現だと思います。評論家は走りを絶賛しますが、そりゃ先代アクセラと同じですから当然ですよね。このクルマを日本メーカーはお手本にしろ!とか真顔で言ってる評論家が結構居るんですよね・・・。困った困った。



「最新投稿まとめブログ」へのリンク