CARDRIVEGOGO アーカイブ・ブログ

はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

メルセデスなら何を作ってもOKなのか?

  いきなり不躾な意見で恐縮だが、メルセデスの最近のクルマがやたらと「胡散臭い」。最近どころか今のラインナップを見渡しても「珍デザイン」のオンパレードだ。もちろん「対象年齢」が高めであったりするので、必ずしも先端デザインが「正解」にならないのだろうが、贔屓目なしに高級車のデザインに関してはレクサスの完勝だと思う。メルセデスの新型Eクラスや新型Sクラスの「ブサイク」度に比べれば、レクサスのデザインは異次元の洗練度を見せている。もしレクサスのグリルがヘンだと言う人がいても、新型メルセデスのグリルに比べれば圧倒的に良いと思うはずだ。メルセデスの全てが悪いとは思わないが、上級車種の間抜けなほどに間延びしたサイドラインを見ると、よくもこんな不粋なデザインで一流メーカーぶってんじゃねえ!と言いたくもなる。

  そんなに頻繁にメルセデスのSクラスを目撃するわけではないが、確実にレクサスLSの方が見栄えがする。旧型Sクラスを見てもマツダ・ユーノス800/ミレーニアのほうがよっぽど高級車としてのオーラがあるくらいだ(2.5Lエンジン車なので本来比較対象ですらないが・・・)。メルセデスはなんだかんだで「過大評価」されているメーカー以外の何者でもないし、実際のところは日本メーカーの後塵を拝する実力しかないと思う。それでもどんな辛口な評論家もメルセデスには一目置いていて、ささやかな皮肉はよくみられるが、ガチで噛み付く評論はまずお目にかかれない。

  多くの専門家は口を揃えて、「メルセデスは2000年くらいから大衆路線へシフトチェンジしてきている」といった表現を使っている。言葉の真意はやや不明だが、2000年以前は、他のメーカーのクルマよりも「時間とコスト」をかけてじっくりと開発が行われていたが、2000年以降は他のメーカーとほぼ同等の開発スパンで「多車種」を展開しているので、必然的に「手抜き」になっていると断じているようだ。それでも新しいクルマの研究開発時間は先代モデルであるとか他の既存モデルのものも当然に受け継ぐわけだから、FMCのスパンが半分になっても決して開発が「手抜き」というわけではないはずだ。さらに車種が増えているのも事実だろうが、プラットホームの数は変わっていないと思うので、これも「コストがかかっていない」という訳ではない。

  元々メルセデスというメーカーそのものが「実力不足」だったのではという結論にはならないのだろうか? メルセデスの高級車の多くには「日本車」らしい造形が随所に見られる。これはあくまで一般論だが、欧州車のなかでドイツ車が日本人に好まれる一番の理由は「日本車に似ているから」だ。英国・イタリア・フランス各国車と比べて「オリジナリティ」がないので日本人によくウケるようだ。ひと昔前のイタリア車やフランス車は絶対に日本人とは相容れないアクの強さがあったりしたが、日本車とドイツ車が世界の中心を占めるようになった今では、フィアットルノーVWもデザインの「個性」は弱まってさらに、同化しつつあるように感じる。誤解をおそれずに言えば、日本車を徹底的に模倣したドイツ車が、EU発足以来関税で日本車をブロックしながら、欧州市場を牛耳ってきた・・・。ただそれだけのことだ。

  トヨタや日産がメルセデスより下だと思っているのは、日本人くらいなものだろう。日産はメルセデスに「対等のブランド」として認められているし、トヨタにはBMWが必死で擦り寄ってきている。べつにメルセデスBMWのクルマがヒドいとは思っていないが、日本メーカーよりも優れているとは思わないし、デザインに至ってはレクサスやインフィニティの敵ではないと思う。