三菱自動車は日本で初の自動車量産メーカーであり、メルセデスベンツにも認められた輝かしい実績のある会社です。ここ数年はリコール隠しの不祥事もあり日本での業績が大きく落ち込み、ヨーロッパ・北米でもシェアを落としていて、新興国市場を目指しています。ただ世界５位の販売実績を持つヒュンダイグループへの技術の提供などで、今でも世界の自動車産業に大きな影響力を持っています。
去年の暮れに三菱は新型アウトランダーを発表し、さらにPHEV(プラグインハイブリッド電気自動車？)を投入し、かなり強烈にプッシュをしています(ごり押ししてます)。テレビCMでは伝わらないと考えたようで、クルマ雑誌の広告記事を積極的に利用している印象です。あまりにも多いので三菱も必死なんだと思います。おそらく開発費が相当かかっていて、ギャランフォルティスやミラージュに積むわけにはいかず、仕方がなく三菱が日本市場で競争力がある本格RV車に搭載したようです。価格設定を見ると332.4万円〜とこれまた驚くべき安さです。もちろん免税に補助金もついて、乗り出しを300万以下に出来るのだとか。プリウスPHVとほとんど価格は変わりません。
三菱はディーゼルもターボも4WDも抜群の技術があります。このクルマも実はとんでもないストロングポイントがあるのですが、それを三菱の広告記事ではなぜか前面に出してきません。このクルマの最大の魅力は4WDのPHVだということです。なんでこれをもっとアピールしないのか？あの「クワトロ」が代名詞のアウディだってA6ハイブリッドはFFです。トヨタもBMWもFRかFFのみです。現在ホンダとスバルが開発中ですが実用化にはまだまだ課題があるそうです。そう三菱だけがあっさり実用化してしまっているのです！マツダのクリーンディーゼルのように世界最高の技術なのだからもっと堂々とアピールすればいいのに・・・。なのになんでこんな本気モード全開のRV車だけに搭載するのか？もしかして東日本大震災を受けてこういうクルマが流行るだろうと考えたのでしょうか？いざとなったら家も土地も売り払って、家族をアウトランダーPHEVに乗せて安全なところへ避難させよう！と考える人がたくさんいると思ったのでしょうか？
別にこのクルマがナンセンスというつもりはないですが、せっかくの虎の子の技術なのだからもっと上手く使えばいいんじゃないかと思います。例えばアメリカで発売していたエクリプスという抜群のデザインのクーペにこの4WD＋PHEVを搭載して右ハンドルにして日本で売れば、実質300万以下なら間違いなく大ヒットします。トヨタの86以上に売れるでしょう。三菱が誇るGDIエンジンも技術供与を受けたヒュンダイがうまく商売に生かしてるのとはまったく対照的です。ヨーロッパメーカーのほとんどのガソリン車ではダウンサイジングターボが使われていますが、これだってもともとは三菱の技術なんです。さらに三菱にはマツダに匹敵するディーゼルの技術もあります。ここまで広範に技術持っている自動車メーカーは他にないですよ。はっきり言ってトヨタ以上です。業績低迷なんてする会社じゃないはず！とりあえずホンダより先に4WD＋PHEV積んだDセグのセダンを作りましょう。
↓2012年モデルの解説
