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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

パワートレーン・オブ・ザ・イヤー

  「モーターファン・イラストレーティッド」で毎年恒例?になっている企画「パワートレーン・オブ・ザ・イヤー」が誌上で発表されました。この賞ですが、思い返せば一昨年と去年はマツダディーゼルが圧倒的な強さで他を一蹴したために、「なんだやっぱりマツダか・・・」というなんとも盛り上がりに欠けた読後感だったですね。技術系雑誌として他のゲスな一般カーメディアとは異なる装丁に、けっこう割高な代金を払っているのだから、「目からウロコ」を2、3枚!くらいは要求したいのですが・・・。

  やっぱり直近の1年で発売された新型車に搭載された「エンジン&ミッション」のナンバー1を決めるわけですから、いわゆる「エンジン屋」として名高いメーカーが一堂に会して、去年はポルシェでしたが、今年はアルファでした!みたいな展開を期待したいのですが、編集部がマジメ過ぎるせいか結果が「巷の評価」と大差ない・・・これでは居酒屋にクルマ好きが集まってあれこれ議論した結果と何も変わらないのでは? 2年連続でディーゼルではちょっと・・・素人以下か〜・・・と呆れてしまいます。が!なんと今年も大賞はディーゼルです・・・。大賞ではないですが国交省から「警告」されたトヨタディーゼルもエントリーされています。萬澤というライターが「世界中で使える!最新の知見!」なんて讃辞を送ってますが、これはさすがに可哀相・・・国交省が印刷前に発表していれば回避できたかもしれない。

  一昨年にマツダディーゼルBMWディーゼルを打ち破って、下剋上を果たしたときには、今もなお脈々と続く「日本VSドイツ」の頂上対決を見たような気がしましたけども、昨年はデミオ用のマツダディーゼルが無敵のダブルスコアで圧勝してしまって、なんだか拍子抜けが・・・クルマはそこそこ豊作だった気がしたのですが、まともなエンジンは無かったのか・・・。そして今年なんですが・・・、なんと審査員の数が半減!沢村さんも牧野さんもいなくなって、今回は誰の意見を重要視すればいいのか。

  しかも人数が半減したにもかかわらず、全員から得点を貰っているエンジンはゼロになってます。昨年までのマツダディーゼルは話題性が先行していて、その評価は不動・圧倒的だったからでしょうか、プロといえども人間ですからやはり評判に左右されてしまうようで、審査員全員から点数が入ってたんですけどね。今年は絶対視されるような「エンジン」が無かったから評価が散けたのかもしれないですね・・・。それにしても失礼ですが小粒な審査員に、ぶざまにバラついた点数。一体この集計に何の意味を見出せるというのでしょうか・・・。

  ちなみに上位を占めたエンジンは・・・①ボルボ(ディーゼルターボ2L) ②スズキ(ガソリンNA0.66L) ③マツダ(ガソリンNA1.5L) ④BMW(縦置ガソリンターボ1.5L) ④マツダ(ガソリンターボ2.5L)
メーカー名を見る限りは、技術に定評があってそれぞれに熱烈なファンを持つものが並んでいてそこそこ「華」があります。全部で15台のエンジンがエントリーしているのですが、12位にポルシェの911カレラ用の3Lターボが、15位(最下位)にはホンダのシビックtypeRの2Lターボが置かれています。「ターボ化しちゃいけないものがターボ化してしまった・・・」という懲罰的・感情的な評価なんでしょうね。読者としてはポルシェやホンダが上位に絡んでくれれば盛り上がると思うのですが・・・。

  このランキングですが、エンジンだけでなくミッションまで「込み」の評価となっています。①〜④位までの5台(上位3分の1)ですが、ATに関してはBMW以外は全てアイシンAW製です。日本市場だからかもしれないですが、エントリーされたユニットを見ると思いのほかZF製ミッションは少ないです。またCVTは確かにある程度は嫌われているようですけども、アウディトヨタのガソリンターボに組み合わせたCVTはそこそこ評価されているようです。トヨタCVTを生かすためにターボ化した?という萬澤さんの推測はなかなか面白かったですね。

  他にも「ミッションはエンジンとの相性で決まる・・・」というスタンスの審査員が多い感じです。個人的な感想ですが、BMWの2Lターボに関しては、ミニ(アイシンAW)とBMW(ZF)を乗り比べたときに、ミッションだけならミニの方がいいかも!と感じたくらいですし、アイシンAW搭載車の乗り味って良くも悪くもとてもナチュラルでほぼ気にならないですから、エンジンとの対話がアクセルペダルを通じて楽しめると思うのですよ・・・。そろそろ「モーターファンイラストレーティッド」もZFに引導を渡す時がきたんじゃないですか? BMWファンを敵に回すリスクは避けたいのでしょうけども・・・。

  ZFのミッションはニュルニュルとシフトアップしていくフィールがちょっと気になります(違和感あり)。あとアクセルフィールがやや軽いですね。ZFミッションは250psくらい出すエンジンと組み合わせるのはいいけども、150ps以下のエンジンだと低速域ではどうも頼りない挙動になります。ロックアップを使う低速域に関してはアイシンAWの技術が際立っているのかなと思います。結局のところZFは200km/h超のペースでアウトバーンを巡航するには都合がいいミッションなんだと思います。日本の一般道を走る限りではそれほど洗練されている感じもしないですし・・・。クルマはサスとミッションで決まる!!!

  さて上位五台とポルシェとホンダ以外にも、メルセデスアウディの新型ユニットもエントリーされています。しかし結果は・・・微妙ですね。トヨタの1.2Lガソリンターボや、2.8Lディーゼルターボなどとどっこいどっこいの評価です。500万円、600万円する高級車のエンジンが、スズキの軽のエンジンよりも下の評価・・・ってのが斬新です。そもそも日本で市販化されていないマツダの2.5Lターボを出してくるのも斬新・・・。それ以上に厳しいことを言わせてもらうと、審査員もなんだかやる気を感じないコメントばかりで、選ぶのが相当に苦痛だったことが伺えますし、読んでる側はもっと悲惨です・・・。せめて面白いコメントができる審査員を複数入れておいて欲しいですね。

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