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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

徳大寺有恒さんの著作が面白過ぎる!

  自動車に興味を持ってクルマ選びの参考にしようと、買った1冊の本「一台のクルマがあれば人生を変えるのに充分だ(徳大寺有恒著)」。もう10年も前の本になるのですが、買った当初は難しすぎて興味があまり持てませんでした。「ダットサン」「T型フォード」と言われても実車をみたこともないし、どういうクルマなのかなんて想像もつきませんから、いくら全力で想像力を働かせたところで「もう無理」となってしまいます。

  しかもタイトルが「人生を変えるクルマ・・・」みたいなことを謳っているわけですから、1950年代の化石のようなクルマを語られても・・・と思いました。1950年代当時にクルマを持てる人はいわゆる「リア充」という人々だと思うので、人生の虚しさに「腐る」とはちょっと無縁な気も・・・。しかも高度経済成長期にこれから突入していくわけです。母に聞くと1960年代でも「全てが貧しかった」と言ってましたが、今の若者には感じることが難しくなった「将来への希望」みたいなものはあったんじゃないかと・・・。

  それにしてもこのやたらと長いタイトルは著者の意図かどうかわかりませんが、私のような年代に「ずしん」と響きます。そもそもクルマは「人生を豊かにするために有用」だと感じてのめり込んだので、純粋に機械を論じる本よりもこういうタイトルに手が伸びてしまいます。出版された年が2003年なので出てくるクルマは、今と違って実に多彩です。そう感じるのは、もちろん選んでいる著者のクルマに対する見識が確かだからだと思います。「ダットサン」「T型フォード」も入れて実に31台。「人生を変えるクルマ」ですからRX-7やらフェラーリやら誰にでも「分かる」クルマはナシです。これでほぼハズレなしですから驚きです。

  この本のコンセプトは、「いいクルマには、いい物語がある」です。話が小難しくなく、ある程度知っているクルマならば実に面白いです。BMW2シリーズクーペが往年のBMW2002の復活と言われていますが、私はこの「2002」というクルマの存在をこの本で知りました。当時はさらっと読みとばしていて、まったく印象はありませんでした。改めて読み返してみるとしっかりと記述されていて、このクルマは今のBMWのCMに登場してますが、このイメージによく重なります。

  正直なことを言うと、「ダウンサイジングターボ」についてこのVW大好きな徳大寺大先生がどうコメントしているかを調べてやろうと本を取り出したのですが、読み始めると面白すぎて当初の目的はどこかへ行ってしまいましたね。この方がゴルフカブリオ(オープン車タイプのゴルフ)に乗られているということは、70歳のご隠居様にとっては非常に納得の1台なんでしょうね・・・。



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