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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

SUVでの公道バトルはやめた方が・・・

  秋のドライブ日和の3連休しかも天気にも恵まれて、調子に乗って3日ともにドライブを満喫しました。さて連れを家まで無事に送り届けて、自宅への夜道をスイスイと走っていると、気のせいでしょうか?何やら前方を走っているクルマから「殺気」みたいなものを感じます。前を走っているのは日産の新型エクストレイルで、まだまだピカピカなボディは納車からあまり日が経っていないことを伺わせます。買ったばかりでドライバーもはしゃぐ気持ちが抑えられないのも何となく解りますが、何でそこまで必死になって前方のクルマを追っているのか当初はよく解りませんでした。

  SUVは悪路走破性に優れたイメージが売りですから、これを好むドライバーにはやや乱暴な運転も目立ちます。1800kg以上もある車重が、前軸と後軸に容赦なく押し寄せるようで、その重心の変位は車高が高い分だけ大振りになるストロークから視覚的に確認できます。余計な心配ですが、こんな乗り方をしていたら一般車と共用部品で構成されるサスだとすぐにヘタってしまいそうです。カイエンなどの「高級SUV」はコイルバネの底付きからくる不快な乗り心地をケアするために、エアサスを装備するモデルが増えているようです。

  高級セダンのものと思われていたエアサスですが、バスやトラックでもよく使われる技術なので、SUVに対するフィードバックもし易く、車高の高さも装備するにあたって設計上の優位につながるようです。メルセデスとレクサスが上級SUVにエアサスを組み込むのも時間の問題のようで、今後はエアサスの装備/非装備でSUVの車格が決まる日がやってきそうです。とりあえずそういったSUVの高級化に否定的で、あまり興味がなさそうな日産とBMWということで、私の目前でバトルを始めてしまうような骨っぽいユーザーを惹き付けるのでしょうか?

  海外での評価は凄まじく高い3代目エクストレイルですが、日本市場では売り込みが苦手な日産のモデルらしく、ヴェゼルやCX5といった「なんちゃってSUV」勢にまさかの大きな遅れをとっているようです。価格面でみてもヴェゼルやCX5とほとんど変わらないのに・・・。コスパと性能本位で選ぶならば、エクストレイルは圧倒的な競争力を持っているので、クルマにある程度詳しい人からはかなりの指名買いもあるとは思います。私の前方でエグい走りを見せているドライバーもどうやらクルマの性能にだいぶ惚れちゃっているようで、「交番前」なので多くのドライバーが減速気味に進む下り坂コーナーもノーブレーキで抜けていきます。連れの家に行く度にそこを通る私も、いつも通りにノーブレーキで追従し、自分のクルマの高いスタビリティに惚れ惚れしてたりするわけですが、そのコーナー付近で前方をよく見るとエクストレイルの前を走るのがどうやらBMW X1だと判明しました。

  なるほど!エクストレイルを指名買いするタイプの人にとって、「BMWSUV」というやや嘘くささが漂うクルマに乗っている「人種」は軽蔑の対象なのでしょうね。「BMWと日産ではクルマの実力が全然違うぞ!」とでも言いたげな態度で、車間距離せいぜい3〜4mにまで迫る悪質な「挑発的な追走」を続けます。しかし工事区間も多く路面変化で車体がかなり上下にブレてしまい、せっかくの日産自慢の「フルタイムAWD」もトラクションの変化には実力が十分に出し切れていない様子です。その様は車高の高さも相まって小型トラックのような挙動にすら見えます。そもそもSUVもトラックですが・・・。

  後ろから見ている分にはとても楽しそうな「コラボ」ですけど、前を走るBMWからしてみたらちょっとシャレにならないですよね。下手に急ブレーキも踏めないわけです。BMWに乗るからには覚悟しておけ!とか年配の人は言うかもしれないですが、今やBMWのラインナップのほとんどは「普通のクルマ」です。ブレーキだってそれほど利かないマイルドなものですし、ハンドリングも到って平凡です。エンジン出力も目立ったものは無く、2L(NA)のエクストレイルをぶっちぎるスピードなんてまずありません。GT-RランエボメルセデスAMGアウディRSが競いあっているAWDの「加速番長」争いには、BMWはまったく興味が無いようです。

  それでも後ろから見ていてさすが思うのは、BMWの方が高速安定性を意識した足回りになっているようで、FRながらも車体のピッチングを収めるタイミングが早いことです。3代目エクストレイルは発売時から、日産の技術を結集した電制によるスタビリティコントロールが謳い文句でしたが、設計そのもののバランスで勝負するBMWの方に一日の長があるようです。よってハイテクを纏う追う側のエクストレイルの方が相当にじたばたしている印象でした。ドライバーの脳みそがシェイクされそうなエクストレイルのピッチングを見ていると、都市部の自動車道路を走るのにSUVという設計は根本的に向いていないということがよく解ります。あの揺れを見せつけられてはいつ走りが破綻するかも解らないので、さらに後ろを走る身としては自然とセーフティーな距離を保ちたくなります。まあ下手そうなドライバーのテンポにシンクロして走ってもイライラするだけですから、身体(右足)が勝手に拒否します。

  まあ訳分からない急加速でクルマの挙動を存分に見せてくれた2人のドライバーには感謝したいと思います。一体どんな人が運転しているのだろう?と思っていると、私が右折する予定の所で2台ともに赤信号に引っ掛かりました。右折レーンにゆっくり入りながら、悪趣味にもドライバー観察を・・・予想通りというか、エクストレイルもX1もどちらも大企業で課長クラスにまではなれそうな目鼻立ちのそれなりに整った50歳代のオッサンでした。中間管理職に降り掛かる半端ないストレスを連休で解消するための「公道レース」だったのでしょうか。でもスポーツカーかセダンに乗り換えることをオススメします。


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