CARDRIVEGOGO アーカイブ・ブログ

はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

自動車産業の現在地すらわからないカーメディアの迷走

  朝日新聞が痛い所を突かれて醜態を晒してしまいました。これまで幾多の大物政治家の不祥事を厳しい言葉で糾弾してきたわけですからこれまで槍玉にされてきた人々はざまあみろ!とほくそ笑んでいることでしょう。日本を代表する大企業に膨れ上がったマスコミ各社は、それこそ何千人という人が記者や編集者としてグループ内の各種メディアに関わっているわけですから、中には頭がオカシイ人だってそれなりにはいるでしょう。最初は末端の人間による些細な過ちから始まって・・・気がついたら池上彰という情報の編集・発信能力を有したメディア人を丸め込もうとして、あっさり叛旗を翻され、面目を丸々潰される憂き目に遭いました。個人ライターから完全にコケにされる・・・これが今の大手メディアの現実のようです。

  朝日新聞は謝罪しろ!なんて粋がっている人に限って、とりあえず朝日新聞なんて購読してないと思いますし、確認しようがない大昔のことを今さらあれこれ言われて、日本の国益にならない売国メディアだ!と袋叩きにされたところで、そんなのはずっと前から解りきっていたことですし・・・。ネットニュースのコメ欄で暇人が、いちいち不祥事を起こした地方議員を糾弾するコメントを挙げてますが、私的流用なんて国立大学、理化学研究所NHK、NTT・・・といった監査の甘い組織には至る所で蔓延しています。裏金作りなんて大企業の役員クラスならほぼ全員が経験しているといっても過言ではないでしょう。なので地方議員の着服なんて大した問題ではないと思っている人は結構たくさんいるはずです。

  ちょっと話が脱線しましたが、ネットの匿名言論は非常に原理主義的な色合いが強く、その影響からかテレビ番組などでも「法家」的な条文解釈で事の善悪を判断する胸くそ悪いものが増えているように思います(なにが面白いのかわかりません)。日本の大手メディアはいずれも戦時中に引き起こした十字架(戦争協賛言論)を背負ったまま存続していて、戦後は一貫して世界平和への贖罪の意識が高かったという点は評価できると思います。しかしそのメンタリティすらもネット言論による過度なナショナリズムの名の下に断罪されている気がしてあまり気分が良いものではないです。

  「公平中立に正しいことを報じる」がメディアの大前提となるわけですが、最高裁判決ですら100%の公正中立など実現不可能ですから、天下の朝日新聞といえども公正中立に正しく報道できない事など日常茶飯事です。そもそも年がら年中クルマ専門に報じているカーメディアのような、狭い領域を扱い専門家だけで構成された編集部にもかかわらず、とても「公正中立」とは思えない酷い記事が並んでいます。スバルのレヴォーグは「デカい」「重い」なんてネガティブな表現が使われ、メルセデスCクラスは「ジャストサイズ」「軽量化」といったポジティブな言葉で評価されたりしますが、どちらもサイズ・重量ともにほぼ同じです。まあスバルよりメルセデスが好きですということでしょうが・・・。

  最近ちょくちょく目に触れてうっとおしいと思うのが、「日本車もやっとターボ化が始まった」という完全にミスリードな記事です。これについては何度もブログで言及していますが、日本中のクルマが全て直噴ターボになったら、都市部の渋滞地域での大気汚染は累乗的に加速します。ヴィッツVWポロやプジョー208のような1.2L直噴ターボに置き換わってしまったら、NOx排出量は単純に1台あたり50倍に増えて、もう悲惨以外の何者でもないです。家の前でVWがアイドリングしてたら、出て行って運転手を〆てもいいと思います。特にアイドリングストップが装備されていない新型ゴルフヴァリアントなんて最低です。ちなみにBMWマツダディーゼルもほぼ同罪といえますが両ブランドはしっかりアイドリングストップを装備しているはずです。

  カーメディアはHVやNAガソリンエンジンばかりを装備する日本車を卑下し、ガソリンターボやディーゼルばかりを賛美しますが、隣近所の人々にどれだけ迷惑をかけるかなんて、少しは考えたりしないのでしょうか?幸いなことに日本の99%のクルマユーザーはカーメディアにまったく興味なんてありませんから、順調にHVのシェアは拡大していますし、カーメディアと低能極まる自称クルマ好きだけが、プリウスやアクアなんて最低!みたいなバカ丸出しの発言を平気で行っています。アメリカの市民社会にNO!と言われた下衆なドイツブランドのタイ生産車や南アフリカ生産車に乗っているあなたの方がよっぽど最低なんですが・・・。

  朝日新聞とカーメディアでは影響力があまりにも違い過ぎますが、「HVは失敗する」「ヒュンダイトヨタを超えていく」「日本メーカーはドイツメーカーから完全に周回遅れ」といった都市伝説は一般メディアでも頻繁に見られます。ネットが発達する前ならば、誰しも特に疑問に思う事なく納得できていたかもしれませんが、今では専門メディアであっても受け手が十分に満足できる報道とはほど遠いのが現状です。月並みな言葉で恐縮ですが、「メディア」のあり方もネットの登場で予想以上に大きくその実態を変えているのかもしれません。


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↓大正義のカーメディアと期待されつつも2冊で終焉してしまったな・・・