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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

マセラティ・ギブリの華麗なる増税後値下げ!

  家電製品を増税前に駆け込みで買った人が損をした!なんてニュースがありましたが、自動車業界ではもともと「エコカー減税・免税」ありきでの販売戦略が採られているせいもあって、自動車メーカーはどこも「ピクリ」とも動きません。国内各社はグローバルで絶好調ですし、輸入ブランドも増税前のバブルに全力投球して、どこも在庫車を一掃したので値引きの余地がないようです。

  話を家電メーカーに戻すと、以前IBMや日立といったアメリカや日本の大手メーカーが次々にパソコン組み立て事業から撤退を決めたときに、新たな市場獲得を巡って、中国・韓国・台湾のメーカーが世界中で根引き合戦を繰り広げたあげく、ネットブックが1万円とかいう「オモチャ」価格で買える価格破壊が市場を席巻しました。価格の力とは恐ろしいもので、ちゃんと使えるウインドウズXPを積んだエイサーとかいう台湾メーカーが当時大成功を収め、今では大型量販店でかなりの存在感を示すようになっています。

  さて増税を迎え2014年4月の売上台数では、国産の主力車種がFMCを迎えたヴォクシーを除いてほとんどが先月比で50%以下まで下がりました。特に高級モデルが多いセダンは20%程度まで落ち込んでいます。少なくとも毎月1万台以上は400万円以上するセダンが売れている日本市場ですから、今後はゆるやかに回復へ向かうでしょうが、大きく弾けた後ですから、回復後のブランド・シェアは大きく変わっているかもしれません。そんな混沌とする日本市場に商機を見出したのか、ここに来て約150万円のプライスダウンを呈示してきたのが、マセラティの新鋭セダン・ギブリです。約1000万円の本体価格が、なんといきなり834万円まで下がりました! 

  ちなみにこのブランドの売上は3月の段階では昨年同月比で600%超という絶好調なのですが、なかなかの「攻め」の姿勢が見えます。単純に考えて6気筒以上の5シリーズやEクラスを買おうとするとほぼ同じくらいの金額になりますから、憧れのマセラティがいよいよ日本でポピュラーな高級車の仲間入りを果たしたと言えるかもしれません。さらに海外ブランドの「まともな高級車」という中でじっくりと比較すると、「お金持ち」の購入候補車の中でも「おすすめ」できる水準で、コスパがとてもいいクルマになったかもしれません。

  せっかく800万円とか900万円とかで高級車を買うのですから、「つまらない」クルマは避けたいですよね。最近ではやたらと低価格グレードを充実させているメルセデスBMWといったブランドが持つステータスは、高級車ユーザー目線からみれば「どんどん低下」しています。ジャガーも直4ターボによる安売りを始めて、さらには500万円を下回る価格のセダンやSUVを間もなく発売するので、数年後には確実にBMWメルセデスと同様の路線に落ち着いているでしょう。よっぽどクルマが気に入らなければとても価格に見合わないブランドかもしれません。

  残るはレクサスのみですが、ギブリと同じクラスには「GS450h」という高級セダンのマイルストーン的なグレードがあります。しかし販売の主体は「250」や「300h」へと完全に流れていて、街を走るGSのステータスはそれほど高くない(直4が多い5やEよりは断然にマシですが・・・)のが実情です。いざ買うとなると、トヨタ自慢のHVユニットを積んで魅力的な「450h」に本体価格724万円払うくらいなら、クラウンアスリートと同じV6/3.5L/NAの「350」(612万円)で8速ATを楽しんだ方がいいかもしれません。

  「ギブリか?GSか?」と2つに絞れる!くらいにEセグメントにおいては、マセラティとレクサスの世界観がずば抜けた洗練度と価格競争力(コスパ)を発揮してます。このレベルに参入できるのは、近々発売される中では、次期メルセデスEクラスと次期フーガの2台くらいでしょうか。どちらも現行モデルよりも大幅に質感を向上させると予想されます。レクサスに完全に主導権を握られたマセラティメルセデスが、今後はどれだけ意地を見せてくるでしょうか?



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