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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

スカイライン200t と プジョー508GT Dセグセダンはこの2択でOK!?その3

 プジョー508GT。フランスの名門ブランド「プジョー」のフラッグシップセダン。このブランドのどの辺が名門か? ベンツに勝った栄光の歴史ですね。欧州のGTカーの歴史はとっても長くて、19世紀にはすでにレースが始まっていて、その「最初」が1894年に行われました。欧州各地から参加チームが集まった結果、レギュレーションに沿った中で栄光の1位を獲得したのが、ガソリンエンジンの父ゴットリープ・ダイムラーが設計したエンジンを持つダイムラー・・・ではなく同じエンジンを搭載したプジョーでした。

  自動車自体はドイツの発明品とされているが、19世紀にいち早く自動車産業を発達させたのは、実はフランスだった!!ルノープジョーに加えて、ダイムラー車を独占販売するパナール・ルヴァソールという商社が活躍しました。なので世界初のレース開催もフランス。この頃に近代オリンピックやサッカーW杯もフランス人の発案で行われていますから、フランスが文化の中心だったんですね。20年前に普仏戦争プロイセン(ドイツ)に蹂躙されたっていうのに。

  とにかく歴史だけ考えれば、プジョーはポルシェやBMWが軽く霞むくらいのレジェンドです。このあとドイツの自動車産業は2度の大戦の度に自動車製造を制限されるなど、順調な発展を阻害されますが、比較的に順調だった新しいもの好きなフランスは1950年代にはすでに自動車産業がダサいものになってしまったようで、某有名ライターは「フランスは1950年代で死んだ!!」とまで言ってやがります。1948年にシトロエンが「2CV」という大ヒットモデルを作りそのまま80年代まで販売を継続するなど、戦後に仕切り直しをしたドイツや日本のように「国策産業」としての成長し、高性能自動車の輸出国として大きく台頭することもなかったようです。もちろんインフラだけはありましたから、代わり映えのしないルノー車やプジョー車が安価に長く作られ続けて、周辺国や北アフリカ、東欧へ供給されてはいましたが・・・。

  ドイツ人や日本人は、世界を相手に戦った母国の戦時産業が、戦後の圧倒的な競争力につながったと思ってますが、まあそれは間違い無いでしょうね。フランス自動車産業にとっての「2CV」は、日本のプリウスみたいなもので、「もうこれでよくない?」・・・1960年代、70年代のフランス車は明らかに「コモディティ」化してたと思います。で・・・そんな冷めきった国のクルマの何が面白いの? ちょっと悪態を言わせてもらうと、フランス車のレビューではステレオタイプに「猫アシ」と表現するライターや、クルマ選びで何も考えて無いのに「フランス車に乗ってますけど、やっぱりいいですね!!」と言う素人は・・・。

  本国では長らく斜陽産業だったはずなのに、国営から民営化を果たしたルノーは起死回生の「再建策」が予想外の結果を産んでいて、下手するとトヨタVWを追い越す世界最大の自動車グループの盟主になるかも!?メルセデスマクラーレンアストンマーティンなどの有名ブランドにまで影響力が及びつつあります。PSAもリーマンでいよいよ「吹っ飛ぶ」と思いきや、グローバルなビジネスプロフェッショナルを使って、チャイナマネーとの融合を果たし、かの国の経済成長を見事に取り込んでいます。潰れかけたルノーが極東に転がっていた「超優良債権」をゲットして復活したように、極東に活路を求めた!!

  プジョーシトロエンことPSAは2000年前後から「グローバルメーカー」として新しい時代を歩み始めます。映画とタイアップして「プジョー406」を売り込み、さらに2004年に登場した後継の「プジョー407」では、ホンダ(1985年3代目アコード)、アルファロメオ(1997年156)、マツダ(2002年アテンザ)が、「BMW対策」として次々と採用したFF車のフロントDWB化にプジョーも追従します。この時に作ったプジョー407のハンドリングが、最近発売された國政久郎著「営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由2」で大絶賛されています。まるで「このクルマの良さを知らないヤツがハンドリングの良し悪しを語るべきでは無い!!」と言わんばかりに熱弁されています。

  欧州アコードは廃止され(北米アコードと統合)、アコード3/4、5/6、7/8代目で6世代(3サイクル)30年続いた4輪DWBは、現行の9代目で使われなくなり、156の後継159はすでに廃止。アテンザも1/2代目が終了して、現行の3世代目からフロントDWBではなくなりました。そして407の後継となった508では・・・なんと「GT」というグレードのみですがフロントDWBを存続させます。さすがは「初代GTカーレースチャンピオン」ですね。

  ホンダ、アルファロメオマツダプジョーが狙ったフロントDWB化は、端的に言えば「このクルマはVWのような安物では無いですよ!!」とユーザーに向けて宣言できる「聖域」でした。VWはストラットでアウディはDWB。これが「モジュラー車」と「インテグレーティッド車」の決定的な差!!だったんですけどね・・・(日本で売れているアウディのほとんどはVWベースだけど)。もちろん國政さんは「508GT」に関しても絶賛されてます。

  「特別なクルマ」というのはFR車の「専売特許」でしたが、ホンダの飽くなき挑戦が「高性能FF車」というジャンルを作り、アルファロメオマツダプジョーシトロエン(C5)が賛同しました。リーマンショックによって生産コスト過剰が仇となり相次いで撤退しましたが、プジョー(508GT)、アウディ、ホンダ(レジェンド)によって生き延びた結果、最新のボルボで新たに採用されました!!

  アウディ、アキュラ、ボルボなどのプレミアムブランドでの採用が主体の中で、大衆ブランド車としてフロントDWBの生き残りである「プジョー508GT」は、FRスポーツセダンとして生き残った「スカイライン200t」と並んで、HV&自動運転の時代をサバイバルした「偉大なる伝道車」としてもっと評価されるべきですね。そしてこの両車に密接に関係している「アルファロメオ」というブランドの今後の活躍にも期待したいです。(BMWも頑張れ!!)


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