CARDRIVEGOGO アーカイブ・ブログ

はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

5月6日 CX3やヴェゼルではなく「SX4 S-CROSS」の渋さに惹かれ・・・

  マツダばかりが上質感を追求している!?といった風潮が、日本の自動車業界の常識になりつつあるようです。たしかに数年前ならば、「クルマを選ぶときはVWゴルフに乗ってから(それを基準に)選べ!」みたいなことを多くの評論家が言ってましたね。業界用語で「ベンチマーク」というようですが、今ではそれが「マツダ各車に乗ってから選べ!」に変わったとかそうでもないとか・・・。アテンザに乗ってしまえば、Cクラスや3シリーズはほぼ不要みたいな意見もチラホラ。アクセラを基準にしてしまうと、割高になる本家のゴルフもタジタジだ!とか、デミオに勝てるコンパクトカーは存在しない!とか、なんとも景気の良い話があちこちから聞こえてきます。マツダ車に勝つためには、マツダの同クラス車と同等以上の品質で、かつ価格面で有利であることが求められるわけで、そんなものが作れるメーカーは無いとは言いませんが、そんな苦労ばかりおおくて、儲からない商売はどこもやりたくないようです。

  しかし探せばそんなメーカーは無いというわけではなく、たとえばスズキ・スイフトなどはなかなか高い競争力を持っているといえます。軽自動車メーカーのイメージが強過ぎるスズキブランドは、良いクルマが欲しい!という層にはややウケが悪く、「スズキというだけで却下!」なんてシビアな意見も残念ながら多いです。スズキの軽自動車はマツダからもOEMで発売されていますが、普通車をマツダブランドで発売するなんてできるわけもないので、スズキは新たに普通車用の販売チャンネルとして別ブランド化してみてはどうか?という気がします。「スイフト」に加えてアメリカの安全基準で最高得点を叩き出した「キザシ」もありますし、さらに知名度はほとんどありませんが、新たに発売される「SX4 S-CROSS」という流行のコンパクトSUV市場に投入される新型モデルは、「スプラッシュ」に変わるハンガリーからの逆輸入車になります。

  コンパクトSUVの人気は欧州から始まったとされていて、最初に仕掛けたのは日本の日産ですが、VWとフォードによる支配が続く欧州の勢力図を変えつつある潮流になっています。プレミアムセグメントで人気を博すドイツブランドに真っ向から対抗できるような、非常に高品質な内外装を備えつつ、高所得者層が多く住む都市部での取り回しに配慮したサイズで、しかも決して卑屈になることのないワイドで大胆な設計・・・というのが大まかな特徴のようです。欧州にある程度のシェアを持つ非プレミアムブランドは、このクラスのクルマを急ピッチで開発し、その多くはモーターショーで発表したコンセプトモデルのデザインをそのまま量産化しています。スズキも2013年にいち早くこの2代目となる「SX4」を欧州や中国に投入していましたが、この2月にいよいよこれが日本でも発売になりました。国内販売開始時にあまりにひっそりとしていて目立たないです。しかしこれはなかなかツボを抑えたいい感じの出来映えです。内装の質感は従来のスズキのイメージを大きく覆してマツダCX3と比べても劣るということはないです。

  残念なのが、国内モデルはCVTのみの販売で、この辺でスズキがもっと色気を出してDCT、ステップAT、MTのいずれかを盛り込んでくれば面白かったのですが・・・。しかしもちろんユーロNCAPも5つ星をしっかりと獲得しているあたりはとても評価できます。SUVとなると5つ星を獲るのが結構ハードルが結構高いようで、BMWのX1でも4つ星に留まっています。さすがはスズキ・クオリティですね。