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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

レジェンド発表!・・・で高級車を考える

  東京の真ん中に繰り出すと、これでもか!と言わんばかりに高級車がたくさん走っています。レクサスが日本に上陸してLSが瞬く間にメルセデスSクラスのポジションを奪った!なんて言われたのはもう遠い過去で、今ではマセラティ・クワトロポルテやポルシェ・パナメーラが断然に人気のようです。これらのクルマを「オッサン趣味」「バブル趣味」と揶揄してしまうのは簡単ですが、好意的に見てもどうもただ各部がデカく作られているだけのように見えてしまい、これらのクルマに1500万円オーバーの価値を率直に感じるのは一般人にはちょっと難しいです。実際そんな価値はないと思います、アメリカではこれらのモデルはせいぜい1000万円程度ですから。

  それでもメルセデス、ポルシェ、マセラティといった超一流ブランドならばそれでも十分に価値があるのでしょうが、同じジャンルのクルマをホンダブランドで作るとしたら一体どうなってしまうのか? 結論としてホンダから出た答えが「680万円で売る」だったようです。このレジェンドHVは北米ではアキュラブランドから約6万ドルで発売されていますが、ほぼ北米と同水準の価格で日本でも発売されることになりました。レクサスがドイツメーカーのような北米と日本での価格差を設定している中で、スカイラインを北米より安く売ってくれる日産ほど良心的ではないかもしれませんが、日本市場のユーザーにも十分に納得できる価格設定になったと思います。

  よくポルシェやBMWやスバルといったブランドは、設計にオリジナリティがあって、そのこだわりによってユーザーの心を掴んで離さないなんていわれます。そして熱狂的なファンはしばしば「世界には2種類のクルマがある!ポルシェとそれ以外だ!」とか真顔で仰っていたりします(BMWもスバルも同様)。まあそれを否定するつもりはないですけど、最近のモデルではいずれのブランドもちょっと説得力がない気もします。もっともポルシェなんて、もともと予算カツカツの小規模メーカーですから、VWの手厚い支援が無いころ(1970年代)は新型車の開発に使うテストカーに平気でメルセデスの車体を使ったりしていたらしいです。まあ40年も前の話ですが・・・。

  ちょっと話が逸れました。本国ではトヨタの目の敵にされ、欧州ではVWとフォードに徹底的にブロックされつつも、アメリカ政府の懐に上手く入り込んで成長を続けるホンダは、その経営にはやや政治的な雰囲気こそありますが、ホンダ車の設計こそがあらゆるメーカーで最も前衛的で常に進化の姿勢を持っています。新型レジェンドはすでにアメリカでもアキュラRLXとして発売されていますが、モーターを3つ積んでいて、左右の後輪に独立した駆動源を用意したことで、旋回力の向上に利用しようという取り組みがされています。公称の車体重量が1980kgでスカイラインHVをさらに200kg上回っていますが、ステアバイワイアを超える旋回力を発揮する可能性もあります。

  そんなスーパースポーツが採用するようなシステムを680万円のセダンに積まれてしまったら、自動車評論家は顔面蒼白になっちゃいますよね・・・。日産のステアバイワイアもそうですが、マクラーレンランボルギーニがここぞとばかりに使ってくるような技術と言っていいです。それほどの技術が次々と出てしまうのか?それはスカイラインもレジェンドも従来のスタンスでは売るのが非常に難しい!という正しい現状認識が日産もホンダもしっかりできているからだと思います。従来通りに作っていたらマーケティング的に勝ち目は無い!という絶望的な状況こそが、自動車メーカーに常識を超えた力を与えて大きなブレイクスルーを起こしてきました。特に日本メーカーの神懸かり的な「勝負」の話はどのメーカーにも幾つもあります。

  自動車評論家は一般的に輸入ブランドの高級車は手放しで褒め称えますが、国産ブランドに対しては「魅力がない」「工夫が無い」など言いたい放題です。日産やホンダがそんな理不尽な罵声にもめげずに、スゴい技術を積んでくると・・・今度は「理解不能」とか誤魔化して評価を放棄する人もいます。西川淳・松下宏・高平高輝の3氏が務めるニューモデルマガジンXの「喜怒哀楽」ではスカイライン350GTの評価は完全に放棄されていました・・・。

  代わりに私が評価すると、ラゲッジスペースの狭ささえ気にしなければ、同価格帯のライバルである320iやC200とは別次元にあらゆる面で凌駕したスーパーマシンになっています。とりあえず現状ではどんな輸入車にも負けないだけの圧倒的な実力がありますから、輸入車ユーザーにとやかく言われる筋合いは全くないですね。アイドリングストップの挙動一つとっても日産の技術力の高さが際立っています。これを見過ごしてスカイラインよりもCクラスに日本COTYで高い評価を下した評論家はなにを考えているのでしょうか?

  さてレジェンドに対して真っ向からこのクルマを見つめて評価できる評論家は日本にいるのでしょうか?ホンダが日本の辛辣な評論家に叩き付けるような究極設計で価格は680万円!このクルマの前ではBMWメルセデスの最新モデルですら愚鈍で前近代的ポンコツにしかならないでしょう。好業績が伝えられていてとても結構なことですが、スバル・レガシィ/WRX-S4/レヴォーグやマツダ・アテンザも完全に色褪せてしまうほどの「コペルニクス的転換」をホンダがまさに仕掛けようとしています。BMWに行くと営業マンが「ディーゼルガソリンエンジンよりも空気を汚さないのでとても優れています!」とか言いますが、この言葉を聞いて即座に反論が頭に浮かぶ人ならば、ホンダの取り組みが既存の高級車ブランドを全て呑み込むほどに優れていると気がついているはずです。



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