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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

BMW X4・・・一体何がしたいのか?

  本音を言うとBMWもポルシェもSUVなんて止めちゃえばいいと思います。もちろん両ブランドが嫌いだからではなく、大好きだからこそ、こう言わずにはいられないです。まあアメリカ市場でSUVを売りまくらないとブランドが存続できないという苦しい事情もよく分るので、適度に良さげなSUVを作って「さすがBMWだな」「さすがポルシェだな」と感心させてくれるのならばいいとは思うのですが・・・。そしていよいよ心配していたような事態になりました。局面打開への苦闘が続くBMWからとうとう強烈なまでの問題作が登場してしまいました。中型SUVの中では目立つくらいに車高を下げて個性を獲得しにいった結果が、予期せぬか予定通りか分りませんが、プリウスを腰高にしたようなとてもBMWには似つかわしくない意味不明なプロポーションでこれは相当に”酷い”です。あまり頭ごなしにブサイクなんて言いたくなることはまずないのですが、フェラーリFFやポルシェ・パナメーラといった超一流ブランドのクルマともなると、間違いなくカッコ良さを追求したデザインなのですから、失礼は承知の上ですが「かっこ悪い!」とハッキリ言ってもいいと私は思います。

  「15年かけてBMWはやっと初代プリウスの先進的スタイルに追いついたのか?」なんて皮肉を浴びせたくもなるほどに、このBMW X4のデザインはとんでもなく酷いです。まるでキドニーグリルがついてBMW顔になったプリウスのようにしか見えません。某雑誌のレビューには「こうした特徴的なモデルを日本のプレミアムブランドは作ることができるのだろうか・・・。」なんて書かれてましたが、このライターは頭大丈夫なのかと心配してしまいます。いくら奇抜なデザインが好きな最近のレクサスだってわざわざプリウスのスタイルを真似たりはしないでしょう。実際のところ車高を上げたレクサスHSみたいなスタイルですから、もうすでに作ってしまっている!が正解なのかもしれません。一応はスカイラインクロスオーバーってのもありますし。

  BMW X4は大まかに分けて3種類のブランドのFRプラットフォームの中で廉価グレードを担当する「L7プラットフォーム」を利用した、もっとも高価格なモデルです。デザインだけでBMWのクルマを判断するのはやや心苦しい部分もありますが、これまで全くヒット車に恵まれない「L7プラットフォーム」車に最低でも乗り出し700万円!というおぞましい金額が付けられています。見た目は残念・・・シャシーも残念・・・価格も残念。昨今のBMWブランドの迷走ぶりを1台で完全に象徴している「怨念の籠った」「業が深い」モデルです。誰も持ってないBMWが欲しい!という人にはなかなか理想に適ったクルマかもしれないですが・・・。

  「L7には手を出すな!」は今やBMWの購入を真剣に考える人々に重くのしかかる金言になっています。アルピナが導入した直6ディーゼルツインターボを搭載するD3/D4は確かに魅力十分なのですが、やはり「L7」という点が心に引っ掛かります。1000万円という価格に見合うクルマが「L7」から作れるはずがない・・・そう感じてしまうほどBMWの上位シャシー「L6」とは別次元に酷い、全く感動できないシャシーです。同様にM3/M4に関しても「L7」ゆえに選ぶ理由がないように思います。それでもレクサスRC-Fが発売された暁には、クソ・ジャーナリストによる乗り比べが行われて、まあ個人の主観なので何を発してもいいわけですが、RC-Fのあらを一生懸命に探して、M4に軍配を挙げたりするのかなという気がします。

  カー・グラフィックTVが以前にジャガーFタイプとBMW Z4を同じ土俵で比べていて、何を血迷ったかメインパーソナリティの片割れが「BMWの方がいいなぁ!」と無邪気に発言されていました。さすがに冷静なもう一人によってかなり厳しい口調でたしなめられてましたが・・・。スポーツカーとしての純度が全然違う2台を比べようという企画そのものに無理がありますし、私のような素人でも先入観を持ってしまうほど、そういう結論ありきな乗り比べなのにも関わらず「やっぱりBMWが好き!」と言ってしまう素直さ(無邪気さ)には好感すら持てますが・・・。

  最近ではBMWに対する視線もさすがに険しいものになってきて、M4にしたって「ボディ剛性は高いね!」と判を押したような評価がされるばかりで、「高揚感」とか「憧れ」とかいう文言は一切レビューには並ばなくなりました。一般人ならばテンション上げられるかもしれないけど、クルマを知っているジャーナリストからみれば、廉価のBMWなんてカローラみたいなものなんでしょうね。アメリカじゃBMWの一番安い3シリーズ・ユーザーの平均年収が14万ドル(約1400万円)だそうですが、ジャーナリストがこれだけ不遜な日本では、BMWの権威はかなり低いものとされ、1400万円稼ぐクルマ好きはポルシェかマセラティを無理して買ってしまうような気がするんですよね。ジャーナリストがBMWを無理して持ち上げつつも、腹の中でバカにしているネジ曲った状況をBMWジャパンも痛切に感じているとは思いますが・・・。

  BMWとしては毒にも薬にもならない、無能ライターによる取り巻きをぶち壊す為にも、一度ブランドを空中分解させて、新たにラインナップに加わったEVシリーズのように、ソリッドで破壊力のあるモデルを揃えて、ブランドイメージの「書き換え」を図りたいといったところかもしれません。そんな中で登場したこの稀代の問題作「X4」を見て、多くのジャーナリストは何を感じるのでしょうか。これまで否定的に扱ってきたプリウスへの視点と、BMWに持って来たイメージが交差した地点で彼らは一体何を発するのか? まあ多くのライターは無視を決め込むでしょうけど・・・。

 

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