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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

メルセデスGLA VWとの対決を避けて商機を見出す?

  VWの「MQBプラットフォーム」が革新的だともて囃されていますが、それを上回るスピードでFFモデルを次々に日本に上陸させているメルセデスの「スピード感」ある展開がなかなか素晴らしいです。メルセデスのFF車に対してはやや懐疑的で、これを買うくらいなら、VWや日本車にした方がいいと声を大にして勧めたい!という立場だったのですが、そろそろメルセデスも意地でハンドリングやアクセルフィールを改良してくるのではないかという、やや楽観的な期待があります。

  このGLAと同じプラットフォームを使うAクラスとCLAはフロントマスクの流麗さで人気になっているようですが、車内のレイアウトに関してはFF車とは思えないほど「割り切り」をしていて、まるで3名以上が乗る状況をあまり真剣には考えていないようです。クルマの設計思想が最終型セリカの頃で止まっていて、そこから進化していないような、古臭さを感じてしまいます。もっとも最終型セリカトヨタが世界に誇る好デザインのクーペで、中古車市場でもなかなか人気が高く、復活を望む声もあるくらいですが・・・。

  これまでのメルセデスはFFモデルに関しては、ホンダ・フィットのような車内の居住性を優先した旧AクラスやBクラスの設計が主流でした。しかしこの2モデルは思った以上に人気が出ずに低迷したため、現行Aクラスや新設されたCLAでは、スタイル優先へと舵をきったわけですが、さすがは「Das Beste oder nichts」(最善か無か)を社是としているだけあって。「フィットを目指す」か、「セリカを目指す」かが実にハッキリしています。たとえブランドヒエラルキーの最底辺だとしても、一切の妥協なくやり切っていることは素晴らしいと思います。そしてAクラスのFMCで切り捨てられてしまった、"フィット的"メルセデスユーザーに対して用意されたのが、Aクラスのクロスオーバー版となるこの「GLA」のようです。

  このクルマが一体どっちを向いているのかは、いまいち判然としない部分があります。本格的SUVとして考えるユーザー向けに「GLA250・4matic・オフロード」というグレードがあり、同じ価格で「スポーツ」というグレードも用意され30mmほどオフロードの方が車高が高くなるなんていう細かい演出もされていて、さらに「ノーマル」のGLA180ならば、オシャレな買い物車(セカンドカー)としてリーズナブルな344万円!という設定がされています。まさにスタイルだけで突っ走っているA/CLAが積み残していったユーザーを残らず吸収するための「実用車」です。SUVはあくまで「多目的ビークル」なんで、これはこれでメルセデスらしい「筋」の通った解釈&設計といえるのかもしれません。

  同時期に発表されたレクサスNXがどうも「独りよがり」な設計で、ユーザの心を掴もうとする配慮が見えてこないし、そもそもどういうシーンで使ったらよいのかもイメージが湧いてきません。もちろんトヨタらしい乗り降りがし易いなどのポイントはあるようですが、そもそもSUV自体が乗り降りしずらくできてますから・・・ちょっと狙い過ぎなきらいがあります。レクサスISのシンボル的な特徴が全く生きていないNXのフロントマスクと比較するまでもなく、GLAのフェイスは整っていますし、サイドとリアのデザインはCX5をパクったエクストレイル、ハリアに続いてしまっていて全く新鮮味がないNXではちょっとボディが大きく見える以外にGLAに負けてしまっている気がします。

  価格も手頃で、使い方のイメージも湧き易いといった意味では、メルセデスのFF車としては最高傑作と言っていいかもしれません。AもCLAも好調な売れ行きだったようですが、本当に愛される実用的なFF車という意味では、このGLAが長く使っていける良いクルマ(名車)として語り継がれていく、なかなかの素質があるように思います。

  

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