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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

VWはガソリンターボからPHVへ華麗なる転身を計画中

  2020年までに欧州メーカーはガソリンターボの生産を終了するという、なかなかビックリな予測がされています。この前までレクサスISにターボが無いといってこき下ろしていた愚かなジャーナリストと、彼らの言葉を無批判に受け入れた能無しユーザーはさっさとプリウスもどきに乗り換えろ!となんだか粋がってしまいたくなります。このブログのコメント欄にもアホなコメントが多くそのまま残されていますので、VWゴルフが全部PHVになった頃に改めて晒してあげようと思っています(冗談です)。

  そもそもHVのエネルギー効率がいい理由は、誰でも問題なく説明できると思いますが、ターボの使用で明確に燃費が向上するという根拠を明朗に言える人はそんなに多くないと思います(実際に微妙です)。2LのNAエンジンが1.4Lターボで完全に代替できると多くの人が信じているようですが、それはクルマをただの「道具」として考えているという前提でのみ成立します。乗り比べてみれば、アクセルフィールは雲泥の差がありますし、とても「互換性」があると言えるレベルではありません。

  それなのになぜ多くのジャーナリストがVWの1.4Lターボに対してあえて否定的な発言をしないのか? それはつまりジャーナリズムがモラルハザードを起こしていて、確固たる解釈基準をもたない素人ユーザーが誤解することを前提にVWの利益になることを代弁しているからです。VWはとりあえず日本で1.2Lと1.4Lのエンジンを積んだクルマをたくさん売りさばきたいのです。なぜなら日本向けモデルの製造が行われるタイの工場にはこの2種類のエンジンを搭載するモデルが集約されているからです。

  VWトヨタやホンダとは本質的に違っていて、新興国を中心にシェアを広げるタイプのメーカーです。日本でいうところのスズキに近い存在です。VWのタイ生産において2Lのエンジンは完全にオーバースペックです。ほとんどの車種が新興国で100万円以下で販売されるものですから、どう考えても2Lエンジンを使う理由なんてないのです。よって日本向けも東南アジアで販売される廉価モデルと基本的には同じエンジンが使われます。そんなクルマを300万円払って有り難く買っていくアホがたくさんいる日本市場は完全にクレイジーなのです。

  そんなVWが今ビジネスモデルの大転換を迎えています。ワールドCOTYや日本COTYなど目立つ受賞歴からはイメージが付かないかもしれませんが、世界的にVW車の売れ行きが伸び悩んでいて、特に最大市場のアメリカでは深刻な状況です。アメリカでは一切1.2Lや1.4Lといった新興国向けエンジンは投入されておらず、先進国向けのラインナップを敷いていて日本市場とはだいぶブランドのイメージが違うようですが、日産、フォード、スバルの好調さの前にシェアを大きく失っています。

  そもそもVWはエンジンの開発力も低いメーカーですから、フォードやホンダといったエンジン屋が新興国向けに本腰を入れてターボエンジンを開発するようになり、どうやらガソリンターボの分野でアピールするのが難しいと判断したことは賢明だと思います。2020年以降はどうやら欧州でも日本でも排出基準が厳格化され現行のガソリンターボはほとんどアウトになる見通しです。トヨタ・日産・ホンダが国内向けにターボ車を作らずHV / EV / FCVへシフトするのは、完全に先が読めているからです。つまり「あの大絶賛は何だったの?」と拍子抜けするかもしれませんが、次期ゴルフはプリウスみたいなクルマになることがほぼ既定路線みたいです・・・。
  
  
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