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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

アルファ147 「発展途上」という価値

  いまでもアルファロメオの中古車で問い合わせが圧倒的に多いモデルが「アルファ147」。現行ジュリエッタの先代モデルに当たるCセグHB。いまやプレミアムブランドの入門車がひしめく「退屈」なクラスになってしまいましたが、この「アルファ147」は決してそんな平凡なクルマではなく、このクラスにありながら視線は常に上の上を向いていました。ゆえに今も人気があるのでしょうけど・・・。

  もし欧州の経済危機が起こらずに、アルファロメオは経営状態など関係なしに「147」「156「166」をそのまま熟成させていたら? 現在の中型車の流行は完全に違うものになっていたでしょう。2000年当時、スポーティなエンジンの定番と言えばホンダVテックでした。ロングストロークエンジンを物理的な限界値に限りなく近い水準の速さで回す高回転型エンジンの技術は圧倒的でした。

  欧州メーカーがターボを積極的に使うようになったのはこの数年後で、そこにはBMWメルセデスも自然吸気(NA)でホンダには勝てないという締念が滲んでいました。欧州メーカーで唯一ホンダに肉薄するほどのエンジンを組み上げたのがアルファロメオで、彼らは「欧州の誇りを守るため」だけに、巨額の開発投資を惜しまず投入しました。


  内装は伝統のイタリアメーカーだけあって、このCセグでも十分に上等なインテリアを作り上げています。ただしそんな素晴らしいエンジンと内装にも関わらず、車体の製造技術は日本やドイツのメーカーにかなりの遅れをとっていたようで、「個体差が大きい」というなかなかハラハラする楽しいクルマ作りをやっていたようです。他にもブッシュの品質にバラつきがあったり、2ペダルMTの「セレスピード」の品質にも疑問が・・・。他にも日本車じゃあり得ないような電装系の故障も多発・・・。

  まあ実用車としてこのクルマで毎日仕事に行くのはマジ勘弁なんですが、休日の趣味のクルマと割り切ってしまえば、これほどに可愛がれるクルマはなかなかないとか言ってるオーナー様に愛されています。まあ気持ちはよく解ります。世界一といって良いくらいの長所が複数あっての、耐えられる短所がその2倍くらいまでならば・・・。

  とくにアルファロメオがいいなと思うのは、やはり日本車に囲まれているという環境もあるのかもしれません。全てにおいて合理的に計算し尽くされて、目立った短所もなくて信頼性も非常に高い・・・、けどこのクルマのポテンシャル(伸び代)を全く感じない、熱くならない日本車が多い地域でこそ評価されるクルマなのかなんでしょうね。




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