CARDRIVEGOGO アーカイブ・ブログ

はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

カーグラフィックが◯◯を語った!

  日本の中堅メーカー・スバルがとんでもない問題作を発表した。話題の新型モデルのレヴォーグというクルマがそれなんですが、このレヴォーグは日本メーカーがこれまで暗黙の了解としていたタブーを打ち破ってしまったのです。日本メーカーは漫然とクルマを作っているかのように揶揄されることもあるのですが、その実はかなり高い倫理感に基づいて日本の自動車社会を良いものにしていくという方針が共有されていました。

  世界の他の地域よりも高度に集積化が進んだ日本の都市は、当然ながら交通事故の発生率が高まります。自動車を経済活動の道具として使うために、全てのユーザーには自動車保険制度への加入が義務づけられます。それと同時にこの制度を健全な形で維持できなければ、自動車は社会から追放される宿命にあります。

  かつて交通事故の増加に歯止めがかからずに、クルマ社会が日本の中枢都市から追放されかかった時代がありました。そこで道路交通法の厳罰化を進めて、重大な違反者は実質的にクルマの利用を永久に制限することで、なんとか秩序を保とうとしました。それと同時に自己発生率が高く自動車保険を破綻の危機に追い込んでいた危険なクルマである高性能ターボ車の製造に対して、日本メーカーに慎重になるように国土交通省からの指導があったと言われています。

  その時以来、一部のスポーツカーを除いてターボの設定は行われなくなりました。そして各メーカーはHVやCVTの開発に注力し、自動車をより経済的に使う提案を続けてきたわけです。それでも日本の官民の力では、輸入車への規制は出来ず、現在ではほとんどの輸入車はターボモデルが日本へ持ち込まれるようになりました。輸入車インポーターは日本メーカーの努力を踏みにじるような「宣伝文句」で日本の自動車に詳しくない層へ激しい売り込みをかけます。そこで生まれたのが「ダウンサイジングターボ」という都市伝説です。

  燃費を追求するならば、日本の官民が協調して開発したHVがシステムとして圧倒的に有利なのは間違いないですが・・・、そこに国民を騙すかのように「ターボ車は高級」という意味不明な風説が自動車雑誌に現れました。それでも高等教育を受けている多くの日本人にはHVの優越性を判断する能力があるので、トヨタと中心に日本車の優位は今に至るまで続いています。

  長くなりましたが、そしていよいよダウンサイジングターボという幻想が消えるだろうと思われた2014年になって、スバルがスポーツ性能を誇らないターボ、いわゆるダウンサイジングターボを国内向けモデルに採用してしまいました。これに色めきだったマヌケな自動車メディアが、ダウンサイジングターボが日本車にも広まる!なんてとんでもない主張を始めました。

  そんな中で日本が誇る良識派「カーグラフィック」が2014年4月号で静かに「ダウンサイジングターボとHV」について語りました。広告主の輸入車メーカーにも一定の配慮をみせてはいましたが、さすがは良識派雑誌だけあって、ターボに真っ向から反対するトヨタマツダの主張を紹介した上で、これを支持すると結びました。

  ダウンサイジングターボは日本の環境には相応しくなく、日産もホンダも欧州向けに開発こそしているものの、国内向けに導入する気はさらさらないというメーカーの正しい主張もしっかり書かれていました。クルマ好きなら誰もが知っている当たり前のことを、当たり前に述べることができているのは私の知る限りでは「モーターファン・イラストレーティッド」とこの「カーグラフィック」の2誌だけです。もちろん「自動車工学」や「オートメカニック」はこんな当たり前のことをわざわざ記事にしないわけですが・・・。

  一方で「ニューモデルマガジンX」「ドライバー」「ベストカー」「カートップ」といった雑誌は・・・。





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