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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

コルベットZ06  ポルシェを悩ます下剋上

  デザインの公開から早くも1年が過ぎ、なんだかクルマとしての優美さが欠けているのではという気もしてきた新型の7代目コルベット。こんなに賞味期限が短いデザインだとは思わなかったですが、改めて見るとフロント、サイド、リアのいずれもが呼応していません。デザインの優れたクルマはフロントを見ただけで、ある程度はサイドのシルエットを想定できたりするものですが、豊かにロングノーズを構えたフロントがサイドから見ると不思議なほどに迫力がない。最近の大径ホイールブームにありがちな、タイヤにへばりついた薄いサイドデザイン。20インチを履きこなすのがそもそも無理?

  韓国人デザイナーだからわかってねーとかそういう失礼なことを言うつもりはないけど、日本でとてもウケるデザインには思えないですね・・・。今回はおそらくベースモデルでも1000万円越えでしょうし、ライバルも同価格帯に「過密」状態ですから、ジャガーFタイプや日産GT-Rと比べて冴えないデザインは致命傷になるかもしれません。そんなコルベットが期待するのが、「ニュル市販車最速」のタイトルなんですが、某ドイツのわけわかんないメーカーが、普通の人には買えないような限定車でタイムアタックを行うようになって形骸化しつつあります。

  ただこのドイツにあるGTカーのトレーニングサーキットで最速タイムを出すだけで、欧州では無名だったスーパーカーが一躍有名になるという、恰好の登竜門としては機能しています。レクサスLFAも限定車なので、ドイツのムキになるメーカーのクルマと同じようなものですが、日産GT-Rとシボレー・コルベットそしてフィアットクライスラー傘下のダッジ・バイパーの3台は確実にここでその名を知らしめることに成功しました。さらにこの競争が注目されるようになり、これら巨大メーカーのスーパーカーだけでなく、このニュルでレース仕様車でさらに上のタイムを出している、ラディカルという英国のメーカーも公道仕様版にデチューンして世界販売を開始しました。日本にも正規代理店が誕生していて、今年の輸入車ガイドブックにもRadicalが追加されています。

  コルベットのデザインの話で切り出したのですが、ニュル最速を争う各メーカーのスピリッツを愛車で感じるという特別の感情の前ではあまり意味がないかもしれません。ラディカルのデザインをコルベットを批判する論調で語るとしたら、理解不能としか言いようがないです。それでもこのラディカルのレース仕様はフェラーリのニュルベストタイムを上回っています。価格も1300万円〜と意外に安いです。今後は日本の道路ヒエラルキーの頂点に立つのはこの1000万円前後の「ニュル系」メーカーが作った各車になっていくでしょう。そういう意味ではこのシボレー・コルベットはシーンの中心になりそうなクルマではあります。


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