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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

アテンザの影響は大きいみたいです・・・

  マツダが「確信犯的」に作った新型アテンザは、「究極的に解りやすい」デザインを武器に当然のごとく大ヒットを飛ばしています。この成功によって「エクステリア」に手間ひま掛けることが、上級モデルのクルマを売るには手っ取り早いことが証明されたかのように、マツダ以外のメーカーもかなり力を入れるようになりました。早速動いたのがトヨタで、アテンザFMCをブツけて「完全マーク」するプランのクラウンに急ピッチの改良を加えてなんとか対抗できるデザインに仕上げました(危うくアテンザに返り討ちにされるところでした・・・)。さらに続くレクサスISも「尋常でない」華飾のエクステリアを大々的に導入してきました。もはや「レクサス」ブランドとしてのヒエラルキーや統一感など完全に無視して、なりふり構わずでLSよりも目立ってしまうクルマに仕立ててしまったようです。

  続いて、リアクションを起こしたのがスバルで、正統派3BOXセダンに仕立てた「次期WRXコンセプト」が発表されました。これが全くインプレッサの面影がないほどに「変容」したオリジナルのデザインになっていて量販モデルをスポーツカーに仕立てるというスバルが守り続けてきた「手順」をあっさりと変えてきました。どうやらスバルとしては、アテンザのように「このデザインのまま1年後に出しますよ」作戦を実行するようです。ただこのクルマはもはや「スバル」と認識できないもので、メルセデスなのかアウディなのかマツダなのか?どれにも見える不思議なデザインに仕上がっています。今後はこの「ルックス」でスバルブランドを構築していくのでしょうか? この顔のレガシィなんか出たら結構人気出そうではありますが・・・。

  さらに現在行われている上海モーターショー13ではマセラティ「ギブリ」など新型セダンが目立ちます。そこに登場したのがスズキのコンセプトカー「オーセンティックス」で、これまたスズキのイメージを大きく覆すスタイリッシュなセダンになっていて(そもそもスズキにセダンのイメージなどないが)抜群のデザインを誇っています。さらにスズキが用意したイメージ動画はまるでマツダが「シナリ」や「タケリ」で使ったような映像に仕上がっていて、アテンザの「サクセスストーリー」そのものを、なぞってしまおうという意図なのかもしれません。

  マツダ・アテンザが競合モデルに与える脅威は確かに大きなものがあるとは思いますが、これらの日本メーカーの動きが想像以上に素早いのには別の事情があると思います。それは「セダンの最先端デザイン」の震源地がもはやドイツメーカーでも日本メーカーでもなく、中国メーカーへと移っているということです。中国メーカーの中には、アウディBMWライセンス生産だけでなく、独自にジウジアーロピニンファリーナと契約して(ブリリアントというメーカーです)、最先端のデザインのセダンを作り上げているところもあります。新型アテンザのように目を引くデザインのセダンは北米や欧州を見渡してもなかなかありませんが、中国には複数存在します。

  中国フィアットマセラティのようなセダンを作っていますし、経営破綻した「MG」も中国資本で復活の動きがあります(上海ショーに出品)。もちろん中にはホンダやベントレーのデザインをただパクっただけものなどもありますが・・・。ただ日本メーカーとしても中国市場で商売をしないメーカーはないくらいですので、今後は数十社ある中国メーカーの全てのデザインを上回るものを作らなければ、中国市場の競争に勝てないでしょう。よって今後も日本車のデザインは全車種でどんどん向上していくと思われます。

↓芸術性が高いデザインという意味では、先代アテンザの方が優れていると思います。新型アテンザはとりあえず「解りやすい」がポイントで韓国メーカーも中国メーカーも蹴散らすような「キャッチー」なデザインです。