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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

アテンザのヒットはライバル車が「テキトー」だから

  日本ではすっかり販売台数が少なくなっている「ミドルサイズセダン(Dセグセダン)」です。エコカーブームが理由などと言われていますが、実際はこの「ジャンル」全体を通じて国産車輸入車問わず魅力が無くなってきていることが原因だと思います。欧州でも日本でも販売が低調で、北米だけで良く売れるという状態を反映してか、各社ともに北米で3Lを超える大型エンジンを積むことを前提に車体を開発していますが、日本や欧州ではその仕様が嫌われパワーが下げられるため、なんだか「かったるい」クルマになってしまうようです。日本仕様のクルマは大抵はミニバンと同じエンジンで、車重もほぼ一緒なので、ドライビングの楽しさなんて望むべくもなかったりします。iV-tec搭載の「アコード」の日本仕様がこの「ジレンマ」ハマって失速し、スカイラインの2.5Lも同様に「スカイライン」とは名ばかりのカローラ並みの加速のクルマに成り下がりました。

  本来は全車種で一番魅力を放っていないといけないのが、この車種なのですが、ここ数年はヒット車に恵まれず、去年までは苦しい状況が続いていました。未だに消滅したトヨタ・アルティッツァが中古車で人気になるなど、市場のニーズを吸収できるクルマが作られていないようです。北米仕様の大排気量モデルならば走りに関しては満足できますが、日本価格はかなり高額で、燃費などの維持費も多くかかることから、日本市場ではなかなか受け入れられていない状況です。そんな「八方塞がり」の状況なので、各社ともにFMCが遅かったり、FMCしても多くが先代からの引き継ぎであったりして、新開発の部分がほとんどなかったりします。デザインも古臭さが漂うものばかりで、300万〜400万円払って買えと言われても「無理」があるのかなと思います。

  いつしかこのクラスの販売の中心はドイツ車に移ってしまっています。しかしドイツメーカーが納得できるクルマを供給できているかというと、「ブランド価値」の部分で盲目的な人々が群がっている分、日本車より好調なだけで、動力性能を求めると「高価格&劣悪燃費」は必ず付いてくる点は日本車とまったく一緒です。ドイツメーカーといえども日本メーカー以上に「経営効率」の向上を求められていて、販売価格を考えると、日本車とは比較できないほどの「低コスト」な生産を行っているのが現状です。例えばメルセデスの新型小型車を例に挙げても、極端に言うとコンパクトカーのことなど何一つ分かっていないメーカーなので、その出来映えは「酷い」の一言で、日本メーカーが同様のクルマを作れば、おそらく「まったく」売れないでしょう。

  そんな「閉塞的」状況というのは、ある意味では「野心的」な新型車にとっては好都合ともいえる状況だったりします。ディーゼルを搭載したアテンザに限らず、ハイブリッドモデルを400万円で出してきたトヨタ・クラウンも、このセグメントが抱える「本質的な問題」に真摯に立ち向かった結果の大ヒットなのかなという気がします(カムリHVの流用ですが、価格は英断だと思います)。アテンザとクラウンに続き新型ISも登場して、日本市場のミドルセダンの水準は一気に引き上げられた感があります。従来からあるアコードやレガシィFMCまでは、ほとんど販売が見込めない状況だと思います。それと同時にこのセグメントの「主導権」をドイツ車から完全に奪い返したとも言えます。

  お隣りの韓国ではドイツ車セダンがヒュンダイ・キアを圧倒していると報道されていましたが、主力のヒュンダイソナタではドイツ車相手に劣勢もやむなしでしょう。ここ数年メディアでは盛んに好調が伝えられているソナタですが、北米市場でカムリやアコードに迫っているという事実もなく、完全に「ステマ」報道だったのかな?という気がします。北米でドイツ車・韓国車を圧倒する日本車の強さは「異常」といえるレベルなのですが、その日本メーカーが日本市場でヒットするパッケージを本気で作るようになったことで、日本でのセダン販売は確実に上向きますし、ドイツ車との性能の差もどんどん開いていくと思います(すでにレクサスの内装はドイツプレミアムとは異次元のレベルです。マツダディーゼルBMWディーゼルよりも静かで、トルクがあり、高回転域でも出力カットすることなく(BMWはカットするそうです)回ります)。


↓このデザインで「乗り出し300万円」が日本車の新しいスタンダードになりそうな勢いです。ディーゼルの性能の件(BMWを凌駕)は「CG4月号」を参考にしてください。


↓これを見ると、メルセデスEやBMW5のデザインってかなり平凡だなと思います。「プレミアムブランド」って何?って感じです。