年度末ということで、新型の輸入車が多く登場しています。その中でもこれはかなり大ヒットしそうなクルマが「プジョー5008」です。このクルマはフラッグシップセダンのプジョー508とは全く違うクルマで、プジョーの作った新型ミニバンです。プジョーはどんなモデルでもそれなりのデザインをしていて、これは乗りたくないといった類いのクルマが極めて少ないポリシーのあるメーカーだと常々思っていますが、この5008もミニバンにまったく興味のない私から見てもかなりいいと思います。日本のミニバンのデザインに新鮮味がなくなっている今、なんで日本メーカーはプジョーみたいなクルマ作れないのと思ってしまいます。
日本のミニバンはもちろん各社ともに知恵を絞り出して素晴らしいものを作っているのですが、一部の車種(マツダプレマシーなど)を除いてほとんどが国内専用車ということもあり、国内の流行を全社(4社ですが)が追いかけてしまって、個性が出にくくなっている気がします。プリウスが一気に広まってからあのデザインがやや食傷気味で、バックミラーやフロントガラスに映っていてほしくないからさっさと抜いて置き去りにする人なんかも多いのではないでしょうか。それと同じでトヨタ・日産・ホンダのミニバンも街中に大量に溢れていて、同じような気分にさせられますよね。もっといろいろデザイン上の個性があってもいいですよね。
ミニバンをこれから買う人の中にも、こうした国内メーカーのデザインの「共通性」にちょっとうんざりしている人も多いと思うので、もしこのプジョー508の存在を知っていてアルファード並みの価格をミニバンに出せるという人なら、結構有力な選択肢にはなるかと思います。ミニバンは意外とお金を掛ける人が多いようで、200万円くらいのミニバンだと内装の多くが「妥協の産物」という酷いものが多いようで、家族全員を快適にとなると高級ミニバンを選ぶのが賢いようですね。もしくは、200万円以下のプチバンの高機能化も目覚ましく人気で２極化しているようです。
ただこのプジョー5008を選ぶ人は、デザイン重視の人だけになると思います。大人数が乗るミニバンにはデザインよりも大事なことがたくさんあります。同じ400万円するアルファードと比べてしまっては、ほぼ全ての面でアルファードが勝ちます。特に静粛性や乗り心地では勝負になっていないと思いますね。
