レクサスというブランドはしばしば、VWグループのアウディの「真似」だと揶揄されることがあります。もし本当にその通りだったら、それはとてもいいことだとなのですが・・・。もし本当にトヨタが本気でアウディをコピーするなら、クルマ好きにとってレクサスのクルマはもっと魅力的なものになっているはずです(ホンダ車のいいところを完璧に真似できるのがトヨタです！)。実際はレクサスはアウディの真似なんかしていないことはクルマを見ればよくわかると思います。レクサスの中で比較的新しい車種なのがセダンのHSとハッチバックのCTです。この２車種はレクサスブランドではとても地味な印象があって、カーメディアのノリもいまいちだったり、「あれはレクサスではない」とか言う人もいたりします。アウディにはこういうクルマは見当たりません。
レクサスは「二面性」のブランドだと思います。レクサスには「Aチーム」と「Bチーム」というべきの二種類の車種があって、この２方向に置いては、完全に世界の最先端を走るブランドになっています。「Aチーム」はLSです(だけです)。いうまでもなく量販車としては世界最高レベルの評価がされているクルマです。特にトヨタが得意な「乗り心地」と「静粛性」を極限まで高めた究極のクオリティカーになっています。簡単にいうと、世界中の金持ちにとってこのクルマが最良の選択というわけです。もう一つの「Bチーム」がHSとCTです。この２車種が追求しているのは、「クルマの存在そのものを否定すること」だと思われます。乗り込んでみるとわかりますが、この２台のコクピットは「従来のクルマ」とはまったく違うものを作ろうとしているようです。まずミッションの形状が大きく違います。そしてちいさなパソコンのようなナビとインターフェイスが付いています。これでハンドルが無かったら、まるで株のトレーダー用のデスクみたいですね・・・。従来の大衆車の退屈な「運転席」とはなにもかもが違うものになっています。このクルマを買う人のほとんどがこのコクピットの形状が決め手になっているのではないでしょうか。
当然ながらHSとCTはどちらもハイブリッド専用車です。排気ガスをたくさん出しまくっているガソリンエンジン車なんて、ところ構わずタバコを吸いまくるみたいで、その下品さが受け付けないというオーナーも多そうですね。従来のクルマのネガティブな面を徹底的に潰すことをコンセプトにしているのでしょう。まさに「クルマ嫌いの人のためのクルマ」ですね・・・。レクサスにとってスバルやマツダ的なスポーツなイメージなど眼中にないようです。だから86はレクサスでは出さないし、今後登場するスープラもトヨタブランドになるのではないかと思います。
